【氷と炎】⑰数原龍友 (ページ23)

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｢いや、ちょっと待って下さい。

それ、ほんまに大丈夫なんですか？

またAに執着してくるってことは？｣

僕の質問には全て”わかりません”って答える社長さん。

まあ、本人ちゃうからわかりませんってのが当たり前やとは思うけど

あんなヤバいやつ野放しにする事に我関せずのこのスタイルは多少なりとも腹が立つ。

もう完全に他人事やし、あとは向こうの親御さんがとか言いながら、僕にはその親の連絡先すら教えてこない。

｢ちょっと、こんなこと言いたくないですが

身の危険のあるAがおるのにいち早く見切りをつけて我関せずやなんて、他人事すぎませんか？｣

あいつをさっさと切り捨てて、知らぬ存ぜぬなんて

お前んとこのタレントが起こした事やぞ！って本当は怒鳴りたい。

ただ、その声がAに聞こえたら……ってのを心配してそれをしないだけで

別に大人の対応をしたわけちゃう。

｢……また、連絡します｣

別に一蓮托生ってわけやない。

最後まで一緒にっていう意味でもない。

けど、少しは事の大きさを理解しろやって意味で”また”って言葉を使った。

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