【氷と炎】⑰数原龍友 (ページ16)

今日:19 hit、昨日:1 hit、合計:42,856 hit

816 ページ16

◇

僕の手の中できょとんとした顔のA。

僕がめちゃくちゃ焦ってる事に対して頭の上にでっかいハテナマーク浮かべとるわ。

｢オクチに出してええとか

何があってん。そんなん言う子ちゃうやろAチャンは｣

ちょっと詰め寄るとたじろぐAやけど、すぐに口をわった。

｢……監督がね？

数原は色々やってそうだな。

Aからもしてあげないと数原に飽きられるぞって｣

もんのすごい目眩がしたわ。

多分Aは意味を履き違えとる。

色々やってそうってのはヤッてそうってわけやなくて、面倒見てそうってことで

多分Aからのお迎え要請に光の速さでOKした僕を見て、てか……なんなら仕事に戻らないって駄々こねた僕の事も見てたやろうから、勝手に愛情が僕からしか流れてないように見えたんちゃうかな。

それで勝手にAを煽るような事を言うたんやろな。

で、それをAがやらしい方向に勘違いしたと。

てか何を言うとんねん、あの監督は。

僕がAに飽きるわけないやんか。

｢ええか？A｣

小さい子供に言って聞かせるみたいにゆっくり伝えてやる。

｢僕は、されるよりする方が好きなんや。

イカされるよりイかせたいねん｣

｢……じゃあ飽きないってこと？｣

僕の手に自分の手を重ねて少し縋るような雰囲気にちょっとびっくりや。

･