【氷と炎】⑰数原龍友 (ページ13)

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飯食って、少し飲んで……ってAは少しちゃうけど、お開きに。

同じ方向の涼太と3人並びでタクシーに乗り込んだ。

｢え。狭｣

乗り込んだタクシーの車体が少し古くて

1番奥がA、真ん中の足元がもっこりしとる所に僕、手前が涼太。

｢これ邪魔やわ～｣

今どきこんなんあんねんな。

体制落ち着かんくてソワソワしとると涼太が爆笑。

｢龍友くん体でかいから狭いわ｣

｢肩幅邪魔やな確かに｣

てか1人前に乗ったらよかったんちゃうん？

色々疑問を感じつつ、肩幅に苦戦しながらまずは涼太の家の方向へ。

運転手さんがバックミラー見る度視線がぶつかるの何気に気まづいけど、ジェネの話を涼太とあーだこーだしとると、上着のポケットに突っ込んでた右手に何かが触れる。

あ、これAの手やなって気づいたけど、反対側の涼太に気づかれへんように僕のポケットに手を入れてくるAがいじらしくて

視線と会話は涼太の方に向けたまま、右手はAの手を握りしめた。

ポケットの中で、ゆっくり指と指を絡めて……なんとなくやけどAが照れとるのが伝わってくるようやった。

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