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いざ長尾くんと二人きりになると、何を話していいか分からなくて、特に面白くもない話ばかりしてしまう。
世界史の先生の加齢臭がキツいとか、小島が廊下の何もないところですっ転んだとか、去年の文化祭は大雨で大変だったとか、小島がテストで赤点を取ったとか。
そんな益体のない話に、長尾くんはニコニコ相槌を打ってくれる。
だんだん暗くなっていく空は、無理やり話題を作る私を急かしてるみたいだった。
長尾「あの、俺…A先輩に聞きたいことあって」
「ん？ なに？」
今日初めて長尾くんから始まった会話に、少し浮つきながら訪ねると、長尾くんは逡巡してから俯いていた顔を上げた。
長尾「——A先輩は、小島先輩と付き合ってるんですか？」
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作者名：雨野 | 作成日時：2022年9月24日 18時
