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(………連絡の一つぐらい、くれてもええんちゃうの)
最寄り駅の改札前のベンチに座ってから、もう2時間は経つ。
ロータリーにちらほらいた人影も、もう無い。
きっと忙しいんやから、やっぱり明日にすればよかった。
断るのが優しさやって、ちゃんと分かってはいる。
でも結局のところ、私だって長尾に会いたいってことやから、もうその気持ちに抗うのはやめた。
正直、寒くて指が千切れそうやけど、長尾だってこの寒い中走ってるかもしれんって思うと、
このまま、長尾が駅に着いたらすぐに見つけられるところで待っていたい。
恥ずかしいから、改札に背を向けてるけど
長尾なら、私がどこにおるか分かるやろ？
あんな大勢の中から見つけられんねんから。
こんな、誰もおらん駅なんて——
長尾「———A！」
バカでかい声と走る足音、
しゃあないなぁってフリして振り返ろうとしたけど、背中にかかった重みで私の動きは阻まれた。
抱きしめられてるってことに一拍遅れて気が付いて、急に顔が熱くなる。
走ってきたらしい長尾の息が耳にかかって、身動きすら取れない。
「………誰か見るで？」
長尾「ごめん、ちょっとだけ許して」
乱れた呼吸でそう言う長尾の声は、いつもよりちょっとだけ低い。
「何時間待たせんねん」とか「寒かったんやけど」とか、頭の中にあった文句は全部嘘みたいに消えていく。
長尾「……ごめん、遅なった」
「…ええよ別に」
長尾「こんな体冷たくなるまで待たせて、ほんまにごめん」
「……ええって、」
長尾は「うぅ…」なんて声を漏らしてから、一度ギュッと腕に力を込めて、そっと離れる。
後ろを振り返ると、長尾は泣きそうな顔でそこに立っていた。
なんでそんな顔してんねんって思ったけど、たぶん私も同じような顔をしとるから言われへん。
心から「会いたかった」みたいな顔、
涙が出そうなぐらい、長尾のことが好きやと思った。
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ももか(プロフ) - 丁寧な言葉選びですっごく好きな作品でした！作者様の描く長尾が最高に好きでした。また素敵な作品楽しみにしてます！更新お疲れ様でした！！ (2022年7月19日 0時) (
レス) @page47 id: c5caa37a1a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 星屑に触れたなら 本当にいい作品です。いつも更新ありがとうございました。 (2022年7月18日 17時) (レス) @page47 id: 5aa31afc0d (このIDを非表示/違反報告)
mちゃ(プロフ) - 神作 (2022年7月18日 15時) (レス) id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)
yukie aaa(プロフ) - 言葉がキレイで、、読んでいて本当に引き込まれます！！ (2022年7月16日 17時) (レス) @page44 id: 5c463d3147 (このIDを非表示/違反報告)
縮人(プロフ) - わ〜丈くん(泣)かっこよすぎて泣けます(泣) (2022年7月13日 0時) (レス) @page39 id: 3fa571b52c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨野 | 作成日時：2022年6月9日 19時
