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藤原side
Aが産まれたとき、俺は7歳やった。
ねーちゃんから好き勝手にいじくり回され、可愛がられてきた俺にとって、Aは幼なじみってより妹みたいな感じで、俺は初めてお兄ちゃんになった気持ちでいた。
8歳で事務所に入ったとき、Aは2歳で
Aをいじくり回して可愛がって、Aを笑かすのが楽しいと思ってた。
ただ母ちゃんに言われて、偶然入ったジャニーズやったけど、俺が先輩たちみたいなアイドルになったら、Aがもっと笑って、楽しいと思ってくれるかもって、あの頃はそんな気持ちで稽古を続けてた。
Aが小学生になっても、俺の後ろを「じょーくん、じょーくん」とついてきてくれるのが、俺は嬉しかった。
学校で友達と喧嘩して、泣いて帰ってきたAが一番に俺のところに来てくれるのが嬉しかったし、勉強の相談は……あんまり役に立てんかったけど、それでもAが俺を頼ってくれることが嬉しかった。
Aが笑って、幸せそうにしてるところを見るのが俺はずっと好きで、
出来るなら、Aの人生に苦しいことや悲しいことが何も起こらんでほしいと思った。
この気持ちは、今でも変わらん。
「じょーくん、じょーくん」と俺の後ろをついて回るAは、いつでも笑顔やったから、
たぶん俺は気付けへんかった。
「じょーくん」と呼ぶAの声が、いつしか「丈くん」に変わっていて、その変化に俺は気付けないまま、Aをいじくり回して可愛がってきた。
ある日、いつもみたいにAの頭を撫でたら、Aが俯いて黙り込んで「もうちっちゃい子やないねんで」って言うたとき、その時に俺はようやく気が付いた。
Aが俺を呼ぶ声がいつのまにか変わっていたことにも、
俺がAに笑っていてほしいと思うこの気持ちは、妹に思うようなものではないことにも。
中学の制服を着たAは、知らん間に背が伸びていて、もう子供じゃないねんなって、俺は初めて思った。
正直、Aとの距離を測りかねてた時期もあったし、あんまり会わん方がええんちゃうかって思ってたこともあった。
Aに笑っていてほしいという理由で始めた仕事は、いつしか俺の夢になって
Aにも俺の夢を見ていてほしいと思うようになった。
俺は、Aが可愛い。
そんで大切やから、Aには幸せになってほしいと思う。
幸せにする相手が俺じゃなくてもいい、と
俺はずっと思ってきた。
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ももか(プロフ) - 丁寧な言葉選びですっごく好きな作品でした！作者様の描く長尾が最高に好きでした。また素敵な作品楽しみにしてます！更新お疲れ様でした！！ (2022年7月19日 0時) (
レス) @page47 id: c5caa37a1a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 星屑に触れたなら 本当にいい作品です。いつも更新ありがとうございました。 (2022年7月18日 17時) (レス) @page47 id: 5aa31afc0d (このIDを非表示/違反報告)
mちゃ(プロフ) - 神作 (2022年7月18日 15時) (レス) id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)
yukie aaa(プロフ) - 言葉がキレイで、、読んでいて本当に引き込まれます！！ (2022年7月16日 17時) (レス) @page44 id: 5c463d3147 (このIDを非表示/違反報告)
縮人(プロフ) - わ〜丈くん(泣)かっこよすぎて泣けます(泣) (2022年7月13日 0時) (レス) @page39 id: 3fa571b52c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨野 | 作成日時：2022年6月9日 19時
