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藤原「Aは謙杜のこと、好きなんやろ？嫌じゃないから逃げへんってちゃんと言わんと、謙杜も分かってくれへんのちゃう？」
「……せやね、うん。分かってる」
藤原「ふふっ、分かってるよなぁ。Aやってもう子供じゃないもんな？」
「…まだ子供やよ」
丈くんや長尾に比べたら、私は子供や。
丈くんとといると、自分が子供やって嫌でも思わされる。
大人なのは丈くんだけやったはずなのに、いつのまにか長尾も大人になっとるし。
藤原「俺はさ、Aが一番やから甘やかしてまうねん」
「一番？」
藤原「うん、甘やかして、一番幸せになってほしいから、ずっと」
丈くんはそう言って、縮こまる私の頭をポンと撫でた。
その丈くんの言葉の意味が、私にはいまいち分からんかったけど、
私の頭に触れた丈くんの手が優しくて、なぜか鼻の奥がツンと痛んだ。
＊＊＊
長尾side
やっぱり意地悪するのはやめて、Aに荷物を渡してあげようって思ったのに、
俺はドアの前で立ち止まっている。
ドア越しにAと丈くんの声が聞こえてきて、ドアノブにかけた手が動かせなくなった。
藤原「——甘やかして、一番幸せになってほしいから、ずっと」
俺は、その言葉の意味を知ってる。
たぶん丈くんも、俺がその言葉の意味を知ってることに気づいてる。
あぁ、嫌やなぁ。
また俺は、そんなことを言えてしまう丈くんに嫉妬してる。
ドア越しにパタパタと軽い足音が聞こえて、Aが離れていったんやと分かった。
それからすぐに、目の前のドアがノックされて、心臓がキュッと縮み上がる。
誰がノックしたかなんて、考えなくても分かる。
少し息を吸ってからドアを開くと、やっぱり想像してた通りの人物がそこにいた。
藤原「おはよ、お前は元気ないみたいやなぁ」
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ももか(プロフ) - 丁寧な言葉選びですっごく好きな作品でした！作者様の描く長尾が最高に好きでした。また素敵な作品楽しみにしてます！更新お疲れ様でした！！ (2022年7月19日 0時) (
レス) @page47 id: c5caa37a1a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 星屑に触れたなら 本当にいい作品です。いつも更新ありがとうございました。 (2022年7月18日 17時) (レス) @page47 id: 5aa31afc0d (このIDを非表示/違反報告)
mちゃ(プロフ) - 神作 (2022年7月18日 15時) (レス) id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)
yukie aaa(プロフ) - 言葉がキレイで、、読んでいて本当に引き込まれます！！ (2022年7月16日 17時) (レス) @page44 id: 5c463d3147 (このIDを非表示/違反報告)
縮人(プロフ) - わ〜丈くん(泣)かっこよすぎて泣けます(泣) (2022年7月13日 0時) (レス) @page39 id: 3fa571b52c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨野 | 作成日時：2022年6月9日 19時
