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ええねんで、って言われましても、何年も前から私は長尾を意識してるわけで。
意識してないふうを装うことには、たぶん
長尾が思ってるよりも慣れてる。
それでも、きっと今真っ赤になってる顔を晒してるんやから、意識しとるってそんぐらい気付いてよ。
もっと意識してくれてもええのは、長尾の方なんちゃうの？
ほんまにこいつは、人を見てないようでよく見ていて、でもやっぱりちょっと見えてない。
「……意識、してないわけないやん」
長尾「ほんまに？」
「ほんまに」
なるべく真剣な表情でそう答えたのに、長尾は不満げな顔で小さく溜め息をついた。
あの頃よりずっと大人っぽくなった長尾の、コロコロ変わる表情に、私はこんなにも見惚れてもうてるのに。
長尾の長いまつげが目の下に影を作って、そんなところも好きやと思う。
何もかも、全部忘れて「長尾が好き」と言いたい気持ちが、喉のあたりまで迫り上がってるぐらいには、長尾のことが好きやのに。
でも、やっぱり
何もかも全部忘れることなんて出来ひんから、私は言えない。
長尾「意識しとるなら、そんな男の前で熟睡したりせえへんよ。気い抜けてんちゃうん？」
「抜けてへんし！」
長尾「安心してくれるのは嬉しいから、別にええけど」
「安心もしてへん」
長尾「嘘。さっき安心した顔しとったやん」
「してへん！」
長尾「はいはい、してたけどな〜」
長尾はそう言って、私の頭をわしゃわしゃ掻き回す。「やめろ」と手を振り払おうとしても、長尾は笑ってそのまま続けた。
長尾「——で、もう1時過ぎやけど予定とか無いん？」
「———はい？」
長尾「1時、過ぎとる」
長尾が指差した先には、ベッドサイドのデジタル時計があって、その時計が示す時刻は
「1時過ぎとる！！」
長尾「だからぁ、そう言ってるやん」
「大学、授業！ある！っていうかもう始まってる！」
長尾「じゃあ今日はサボりやなぁ」
「サボらん！行く！」
長尾「ええやん、一日ぐらい。今日俺もオフやし」
「うん、関係ないな？」
長尾「あるやろ。昨日の埋め合わせ、してくれる日にしたらええやん」
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ももか(プロフ) - 丁寧な言葉選びですっごく好きな作品でした！作者様の描く長尾が最高に好きでした。また素敵な作品楽しみにしてます！更新お疲れ様でした！！ (2022年7月19日 0時) (
レス) @page47 id: c5caa37a1a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 星屑に触れたなら 本当にいい作品です。いつも更新ありがとうございました。 (2022年7月18日 17時) (レス) @page47 id: 5aa31afc0d (このIDを非表示/違反報告)
mちゃ(プロフ) - 神作 (2022年7月18日 15時) (レス) id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)
yukie aaa(プロフ) - 言葉がキレイで、、読んでいて本当に引き込まれます！！ (2022年7月16日 17時) (レス) @page44 id: 5c463d3147 (このIDを非表示/違反報告)
縮人(プロフ) - わ〜丈くん(泣)かっこよすぎて泣けます(泣) (2022年7月13日 0時) (レス) @page39 id: 3fa571b52c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨野 | 作成日時：2022年6月9日 19時
