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長尾side
結局最後まで起きなかったAをタクシーに押し込んで、俺らが泊まってるホテルに連れて帰って
「部屋まで連れてくのが謙杜の仕事や」って丈くんに言われた俺は、Aをおぶってホテルの廊下を歩いてる。
時間が経つにつれて、Aは重くなっていって
Aが起きたら文句の一つぐらい言うてやろうと思ったけど、無防備な寝顔を見るとそんな気も薄れていく。
しっかり者で強がりな俺の好きな人の、新しい一面を見られて嬉しい気持ちと、
正体の分からない焦燥感で頭がいっぱいで、
そんな思いを掻き消すために、またAを背負い直した。
長尾「……もうすぐ着くで〜」
「……んー、うん…」
長尾「起きひんよなぁ…」
やっぱりAは呑気に眠ったままで、
なんだか俺も気が抜けてくる。
丈くんがどんな意図で俺を呼び出したのかは分からん。
でも、あんまり深く考えんとこう。
俺はAが好きで、そのために頑張れることは頑張ろうって、それだけでええと思うから。
カードキーでホテルの部屋に入って、そのままAをベッドに横たえる。
それでもAは起きないから、ふにゃふにゃ顔で眠り続けるAのおでこをピンと突いてみた。
ちょっとだけ顔を顰めて「ウッ」と声を漏らすAが可愛くて、思わず頬が緩む。
しっかり者で強がりな、俺の好きな人。
叶うなら、こういう無防備な姿は俺以外の人に見せてほしくないって思う。
叶えたいことは口に出さないと叶わないって分かってるのに、肝心なことは面と向かって伝えられない。
長尾「……俺だけやって、言うてくれへんかな」
寝ているAの頬に手を添えて、Aには聞こえないぐらいの小さな声を絞り出した。
高校のときはしてなかったメイクとか、お洒落に気遣った服とか、初めては全部俺だけに見せてほしかってんで、ほんまはな。
それも全部、言えない気持ちを全部込めて
眠るAに、そっと布団をかけた。
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ももか(プロフ) - 丁寧な言葉選びですっごく好きな作品でした！作者様の描く長尾が最高に好きでした。また素敵な作品楽しみにしてます！更新お疲れ様でした！！ (2022年7月19日 0時) (
レス) @page47 id: c5caa37a1a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 星屑に触れたなら 本当にいい作品です。いつも更新ありがとうございました。 (2022年7月18日 17時) (レス) @page47 id: 5aa31afc0d (このIDを非表示/違反報告)
mちゃ(プロフ) - 神作 (2022年7月18日 15時) (レス) id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)
yukie aaa(プロフ) - 言葉がキレイで、、読んでいて本当に引き込まれます！！ (2022年7月16日 17時) (レス) @page44 id: 5c463d3147 (このIDを非表示/違反報告)
縮人(プロフ) - わ〜丈くん(泣)かっこよすぎて泣けます(泣) (2022年7月13日 0時) (レス) @page39 id: 3fa571b52c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨野 | 作成日時：2022年6月9日 19時
