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翌日の昼休み、長尾は屋上には来なかった。
雨でも傘を差して待ってた長尾が来ないってことは、そういうことなんやろなって、さすがに分かる。
来うへんやろって思ってたから、驚かんかったけど、分かっててもやっぱりちょっと傷付いた。
傷付いたっていうか、寂しくなったって方が正しいかな。
傷付いたって言い方は、たぶん
絶対間違っとる。
もっと悲しくなったり、泣きたくなったりするんかなって思ってたけど、意外とそんなことはなくて
ただ、少し前までの、何も起こらない退屈な日々に戻るだけやって、一日過ごしてそう思った。
長尾と出会う前の私に戻るだけ。
友達と喋って、授業を受けて、塾に行って帰る。
ほんまに、それだけ。
戻るだけやのに。
——なんでこんなに、苦しいのか、私には分からへん。
なるべく普通を装っていた代償が、家に戻って、自分の部屋の扉を閉じてから溢れ出した。
見慣れた優しい笑顔が待ってたから、崩れ落ちるみたいに涙が溢れ出した。
藤原「——おかえり、A」
いつもみたいに勝手に私の部屋に上がっていて、ほんまは怒りたいのに、丈くんが何も言わないまま優しく、本当に優しく私の頭を撫でるから、抑えきれない嗚咽が漏れた。
藤原「ごめん俺、昨日何も知らんで邪魔して」
「邪魔なんか、っ、ちゃうねん」
藤原「謙杜からは何も聞いてへんで。俺が、勝手に謙杜にAの話しただけ。やから、謙杜はなんも悪くないねん」
「っ、わかっとる」
藤原「俺がちゃんと言うてへんかったのが悪かってん、ごめんな」
丈くんはそう言って、川が氾濫したみたいに泣きじゃくる私を抱きしめた。
その手つきが、本当に家族みたいで
余計に涙が溢れる。
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ももか(プロフ) - 丁寧な言葉選びですっごく好きな作品でした！作者様の描く長尾が最高に好きでした。また素敵な作品楽しみにしてます！更新お疲れ様でした！！ (2022年7月19日 0時) (
レス) @page47 id: c5caa37a1a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 星屑に触れたなら 本当にいい作品です。いつも更新ありがとうございました。 (2022年7月18日 17時) (レス) @page47 id: 5aa31afc0d (このIDを非表示/違反報告)
mちゃ(プロフ) - 神作 (2022年7月18日 15時) (レス) id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)
yukie aaa(プロフ) - 言葉がキレイで、、読んでいて本当に引き込まれます！！ (2022年7月16日 17時) (レス) @page44 id: 5c463d3147 (このIDを非表示/違反報告)
縮人(プロフ) - わ〜丈くん(泣)かっこよすぎて泣けます(泣) (2022年7月13日 0時) (レス) @page39 id: 3fa571b52c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨野 | 作成日時：2022年6月9日 19時
