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騒つく会場の中、慣れない私はなんとなく居心地が悪かった。
丈くんに託されたうちわは、一応持ってはいるけど、周りはみんなゴテゴテにデコったすっごいうちわを持ってるし。
クローゼットにある中で一番のオシャレ着を引っ張り出してきたけど、客席までこうもキラキラしとるとは思ってへんかった。
「キャー！」とかもたぶん言われへんし、こっそり帰ってまおうかな……でも、帰ったら帰ったで丈くんに何か言われそうやし………それに丈くんだけじゃなく———
うだうだ、そこまで考えたとき
不意に会場の照明が消えた。
そして、満点の星空みたいなステージに立っていたのは
「…………すごい、」
画面の中でしか見たことのない “なにわ男子” そのものやった。
それは丈くんも長尾も同じで、
約束もなく勝手に私の部屋に上がる幼なじみの丈くんでも、
屋上でいつも困ったように微笑む長尾でもない。
だけど、寂しくはなかった。
寂しさの入り込む隙がないぐらい、キラキラで心が埋め尽くされていく。
丈くんが言うてたのはこれなんやって、直感で分かった。
凄く楽しくて、格好良くて可愛くて、否応なく元気になってまうような、そんな景色。
ちょっと下心で、丈くんも長尾も、私が来とることに気付いてくれへんかな、なんて思ってたけど
たくさんのお客さんの中で、私はその中の一人でしかなくて、
だけど、やっぱり
寂しくはなかった。
幕が閉じるその瞬間まで、
毎分毎秒、星屑みたいなキラキラに目を奪われて——
それが凄く、長尾と一緒におる時間と似てるって思った。
どんな表情もキラキラしとって、目に焼き付いて
一緒におればおるほど好きになる。
やっぱり、長尾はアイドルやねんな、って
ステージに立ってる長尾を見て、そう思った。
私は、そんなあんたと友達になれて誇らしいで。
「あこにおる長尾謙杜って人、私の友達やねんで！」って自慢したいぐらい。
やから、たぶん
私ら、友達の方がええんよ。
ステージの上でマイクを握る長尾を見ながら、そんなことを考えた。
言葉にしたら、凄く寂しいことなのかもしれんけど、
でも、星屑みたいに輝く長尾を見てるとな
全然寂しくなんてないねんで？
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ももか(プロフ) - 丁寧な言葉選びですっごく好きな作品でした！作者様の描く長尾が最高に好きでした。また素敵な作品楽しみにしてます！更新お疲れ様でした！！ (2022年7月19日 0時) (
レス) @page47 id: c5caa37a1a (このIDを非表示/違反報告)
。 - 星屑に触れたなら 本当にいい作品です。いつも更新ありがとうございました。 (2022年7月18日 17時) (レス) @page47 id: 5aa31afc0d (このIDを非表示/違反報告)
mちゃ(プロフ) - 神作 (2022年7月18日 15時) (レス) id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)
yukie aaa(プロフ) - 言葉がキレイで、、読んでいて本当に引き込まれます！！ (2022年7月16日 17時) (レス) @page44 id: 5c463d3147 (このIDを非表示/違反報告)
縮人(プロフ) - わ〜丈くん(泣)かっこよすぎて泣けます(泣) (2022年7月13日 0時) (レス) @page39 id: 3fa571b52c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨野 | 作成日時：2022年6月9日 19時
