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「丈くんは？仕事忙しいんちゃう？」
藤原「うーん、俺かぁ……」
丈くんは、私が仕事のことを聞くといつもこうやって少し遠い目をする。
私はジャニーズのことはそんなに詳しくないけど、丈くんがずっと頑張ってるのは知ってるから、それは報われてほしいと思う。
もし、丈くんが夢を諦めて就職して普通の人になったら丈くんと付き合ったりできるんかなって思ってた時期もあったけど、そんな酷いことは言われへんし、丈くんがアイドルやなくなったら、それはそれで寂しいし。
結局のところ、私が丈くんに選ばれる未来は来ない。
悲しいけど、今も昔も、そういう丈くんが好きやから、もうどうしようもない。
藤原「仕事は……楽しいで。たまに東京行ったりもするし」
「……いつか丈くんも、東京に引っ越してまうんかなぁ」
藤原「まぁ、そんな日が来たらええけどなぁ。そんでAに見てほしいな、コンサート」
「コンサートなぁ、行ったことないねん私」
藤原「そうやったっけ？楽しいで〜！歌ったり踊ったり、コントしたり」
「コントもするん！？」
藤原「するする、俺らはな？東京の子らはせえへんと思うけど」
丈くんは、そう言って恥ずかしそうに頭を掻いた。
私がジャニーズのコンサートに行ったことがないのは、丈くんのせいやねんでって思ったけど、言わないでおいた。
昔は「行きたい！チケットちょうだい！」って丈くんにせっついてたけど、その度に丈くんが「まだ、もうちょっと待ってな」って言うから、そのうちに行きたい気も削がれてしまった。
今思えば、Jr.とデビューした人たちの違いもよう分かってなかった幼い私に、誰かのバックで踊ってるところを見られたなかったんかなって、ちょっと考えたりする。
丈くんが「見に来て」って言うてくれるコンサートに、私は行きたい。
そんでまた、うちで祝えたらええなって思う。
藤原「いつかさぁ、なにわ男子だけでコンサートやって、そんでAに俺のうちわ持たせるんが夢やねん」
「えぇ？絶対持たなあかんの？」
藤原「そりゃそうやろ！それとも似顔絵コピーして切り取って、オリジナルのうちわ作ってもらおかな」
「嫌やそんなん！恥ずかしい！」
私がそう言うと、丈くんは楽しそうにケラケラ笑った。
こんな時間がずっと続けばええのに。
丈くんの夢が叶う頃、きっと丈くんは東京に行ってまうってなんとなく思うから、私は反抗期の子供みたいにプイッと顔を背けた。
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mちゃ(プロフ) - 切ないー！2人にサチアレ (2022年6月2日 16時) (
レス) id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)
雨野(プロフ) - るんさん» コメントありがとうございます！まだまだ始まったばかりですが、お付き合いいただけたら嬉しいです◎ (2022年5月15日 22時) (レス) id: 71b7fa2e9d (このIDを非表示/違反報告)
るん(プロフ) - お話の流れも雰囲気も凄い好きです！応援してます！ (2022年5月15日 1時) (レス) @page13 id: 09d5484fe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨野 | 作成日時：2022年5月10日 21時
