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長尾から急にかかってきた電話を切ってからも、私の両手は微かに震えていた。
突然の着信に舞い上がって、数日ぶりに聞く声が嬉しくて、
でも、長尾の声はいつもより小さくて元気がなくて。
ジャニーズにはそんなに興味がないなんて、そんなんほんまは嘘やから、長尾に今日どんなことが起こって、どんな気持ちになってるかなんて、想像できへんわけがない。
きっと、いつもより自暴自棄な気分の長尾は気付いてないかもしれへんけど、
長尾は、私が今一番欲しい言葉をくれてんねんで。
“ほんまにそれだけで、Aは俺のこと気にかけてくれてるん？”
最初はそれだけだったかもしれんけど、今はそれだけじゃない。
“友達” ってなんなんやろなって私も思ってる。
大切な友達やからって、自分で言葉にしてるのに、口にするたびにちくちく心臓が痛くなるのはなんでなんやろなって、分かりきったことをずっと考えてる。
長尾は私の大切な友達で、そんな大切な友達の大切な夢は、私も一緒に大切にしたい。
そう思ってるはずやのに、
まだ温い携帯を握りしめた手は震えてる。
心臓が痛くて、鼻の奥もツンと痛い。
言えたらええのにって言葉が、一人の部屋の宙に浮かんで消えていく。
「——好き、好きやよ、私は、長尾のことが、好き」
電話先の長尾の声が、今にも泣き出しそうだったことに、きっと長尾は気付いてへんねやろ？
そんな気持ちのときに、長尾は私に電話をかけてきてくれんねやって、嬉しくなってしまう私が浅ましくて悔しい。
簡単に好きって言うて、それでどうにかなってまう関係になりたいって思える“好き”やったら良かってんけど。
もう、そんな“好き”はとうの昔に飛び越してもうたらしい。
携帯が小さく震えて、新着メッセージの光が私の冴えない顔を照らす。
『急に電話してごめんな』
『気にせんといて』
『おやすみ』
平気なふりが上手い長尾から届いた平気な言葉に、私はまた心臓がギュッと痛くなる。
既読を付けたまま、何も返せずにいると
もう一言、新しいメッセージが届いた。
『Aが友達でおってくれて良かった！ありがとう！』
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mちゃ(プロフ) - 切ないー！2人にサチアレ (2022年6月2日 16時) (
レス) id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)
雨野(プロフ) - るんさん» コメントありがとうございます！まだまだ始まったばかりですが、お付き合いいただけたら嬉しいです◎ (2022年5月15日 22時) (レス) id: 71b7fa2e9d (このIDを非表示/違反報告)
るん(プロフ) - お話の流れも雰囲気も凄い好きです！応援してます！ (2022年5月15日 1時) (レス) @page13 id: 09d5484fe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨野 | 作成日時：2022年5月10日 21時
