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長尾side
私服で高橋くんが「Aさん連れてきたで」と言いながら楽屋に入ってきたから、俺は衣装に片腕だけ通した姿で楽屋を飛び出した。
後から、そういう話が(実は)大好きなみっちーもついてきて、二人でバタバタ走ってスタジオの方へ向かうと、スーツ姿のAさんがそこにいた。
髪を一つに括ったAさんは新鮮で、すぐにでも声をかけたかったけど、至極真剣な表情で撮影中の丈くんのことを見つめていたから、なんとなく声はかけられなかった。
時折、大橋くんと何かを話して小さく笑うAさんは、スーツの所為かもしれないけど、凄く大人っぽく見えた。
道枝「なぁ、話しかけへんの？」
長尾「…話しかけ、たい…けどなぁ」
俺の言葉に、みっちーはよく分からないような顔をして「ふーん」と呟いた。
それから、撮影を終えた丈くんと大橋くんが入れ替わって、今度は丈くんと話し始めるAさん。
たぶん初対面なんやけど、耳許で丈くんに何か囁かれたAさんは、ビックリしたみたいに顔を上げて、そのあと照れたように笑った。
その仕草が、家の中でのAさんと重なって、話しかけられないもどかしさとモヤモヤで、俺は無意識に下唇を噛む。
誰にでもあんな顔するん？
そんなん、あかんに決まっとる。
道枝「——長尾？」
長尾「丈くんって、大人やんな。」
道枝「え？あぁ、せやな？」
長尾「みっちーは、大人やない。」
道枝「は？いや、まぁそうやけど…」
長尾「みっちーが大人やないんやったら、みっちーと同い年の俺も子供なんかな。」
Aさんとの距離は、ものの10mぐらい。
なのになんでか、俺は10m先にいるAさんと丈くんみたいにはなられへん気がした。
みっちーが「何言うてん」といつもみたいに雑に言い放って、退屈そうに欠伸をした。
いくじなしな自分が嫌んなるなって、思ってると、Aさんと話し終えた丈くんが俺らの方に向かって歩いてくる。
Aさんは、俺がここにいることには気付いてなくて、熱心に照明に照らされる大橋くんの方を見つめていた。
藤原「Aさんのとこ行かんの？」
長尾「行きたい、けど…」
俺がそう呟くと、丈くんは「ほんまお前ら似たもん同士やな」と笑った。似てへんよ。
俺がAさんと同じように大人やったら、こんなふうに話しかけるだけやのに躊躇したりしない。
言い淀んで俯く俺に、丈くんはさっきAさんにしたみたいに俺の耳許に口を寄せた。
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雨野(プロフ) - のあさん» はじめまして！コメントありがとうございます！お楽しみいただけてとても嬉しいです！ゆっくりな更新になりますがお付き合いいただけますと幸いです…！ (2022年4月10日 13時) (
レス) id: 71b7fa2e9d (このIDを非表示/違反報告)
のあ - 完結おめでとうございます！続編もとても楽しみにしています！これからも陰ながら応援しています〜！ (2022年4月9日 23時) (レス) @page50 id: 638164d256 (このIDを非表示/違反報告)
雨野(プロフ) - たにぴこさん» はじめまして！コメントありがとうございます！最高すぎてずっと頭から離れず…書いてしまいました…！お楽しみいただけて嬉しいです！ありがとうございます〜！ (2022年3月31日 10時) (レス) @page27 id: 71b7fa2e9d (このIDを非表示/違反報告)
たにぴこ - 某番組の新曲初披露、最高でしたよね〜！！めっちゃイメージしやすくて妄想捗らせながら読ませてもらいました〜！雨野さんのお話ちゅきちゅき〜♡です！！ (2022年3月31日 3時) (レス) @page27 id: 9b77b91fc8 (このIDを非表示/違反報告)
雨野(プロフ) - おおはちさん» はじめまして！コメントありがとうございます。お楽しみいただけてとても嬉しいです！マイペースな更新になりますが、お付き合いいただけたら嬉しいです…！ (2022年3月28日 13時) (レス) id: 71b7fa2e9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨野 | 作成日時：2022年3月27日 0時
