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side in
突然掴まれた感触に
腕から伝わる体温に
光の、熱の籠った眼差しに
煩く鳴り響く胸の鼓動は、全身を震わせていた。
「‥、いのちゃん、また痩せたでしょ」
『あ‥と、わかんない、計ってない、から』
「目の下だって、クマ出来てる」
『ん、メイクで隠してもらったんだけどな、へへ、さすが光は目敏い‥、っ!』
真剣な顔して心配してくれる光に嬉しくなっちゃって
つい堪えきれず照れ隠しに小さく笑えば、掴まれていた腕に引力を感じて
そのまま、程よく鍛えられた身体に、吸い寄せられた。
多分、抱き締められた、っていうんだ、こういうの。
『‥、ひか、る?』
「一人でそんなに頑張らないでよ‥っ、俺が、いるから、ずっと、いのちゃんのこと、見てたから」
心臓が止まってしまう、って
こんなに強く思ったことない。
「俺いのちゃんのこと、好きなんだよ‥だから‥、
‥‥いのちゃん?」
『夢、みたい‥』
腕の中で固まってしまった俺を心配したかのように、身体を少し離して顔を覗きこんでくる。
俺の口からは、衝撃と歓びからそんなドラマや漫画の世界から引用したんじゃないかってくらい、あとで思い出せば恥ずかしくなるような言葉が零れていて
だって、仕方ない
ずっとそれが欲しかったんだから
欲しかった、伝えたかった言葉を
もらったんだから。
光と同じ場所で
同じ景色を見て
横にいるお互いを
好きだよ、って
想い合うような
その日を夢みて、夢中で走ってきたんだから。
まさか、向こうから迎えに来てくれるなんて
思ってもなくて。
『お、れも、‥っ、』
光が好き
ずっと暖めてきた台詞を伝えたら、目を見開いたあとに真っ赤になっちゃって
それから少し気難しそうな顔をして何を言うかと思えば
気持ちが負担になっちゃうとか
俺の邪魔しちゃうとか
そんな的外れな心配をするようなとこも光の優しさだから好きだけど、でも
それよりも、聞きたいのは、話したいのはこれからの話なんだよ。
幸せしか見えない
それこそ夢のような未来の話を
ふたりでしたい。
【はじまりを夢みてる】
fin.
*****
題材曲 [ Dreams come true ]
作者 かんな
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作者名:ゆかいな腐女子たち x他1人 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/ke_i_817
作成日時:2017年8月6日 13時