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「でも泣いてばっかではなかったよ」

「まぁ...あー、合宿!春休みの合宿の最終日、騒ぎすぎて顧問に怒られたよね」

「あったあった笑 顧問に怒られてんのに楽しくなっちゃって笑っちゃうもんだから先生も呆れてたよねぇ」


話せば話すほど出てくる、楽しかった話、悲しかった話、悔しかった話、。

全部、学生じゃないとできない経験。


泣いて、笑って、ここまで過ごしてきて。
...あっという間に、引退だ。



「もー、そんなしけた顔しなーい」

むぎゅっといのおちゃんに頬を掴まれ、ふにふにされる。

「いひゃいよ、」

「ふふ、変な顔」

「うるひゃいっ、もーっ、」


くふくふと肩を揺らしながら笑って、手を離した。
その手は、俺の手に重ねられた。


「...明日、俺ずっと応援してるから」

「...ありがとう」

「山ちゃんと、山ちゃんを信頼してるメンバーなら、絶対勝てるよ」


ぎゅ、と手を握られて、ぶんぶんと振られる。

笑顔で「うん、」と答えれば、満足そうに笑った。


「さーて、帰りますかね」


「帰ろっか」


それぞれカバンを持って、ベンチから立ち上がる。

そのまま歩けば、付いてきてると思ってたいのおちゃんが後ろから俺を呼んだ


「山ちゃんっ」

後ろを振り返る。

タッタッタッ、と走って寄ってきて、俺を抱きしめた。


「えっ、どうしたの、」




「...俺からのエール、山ちゃんにだけへのエール」


ぎゅーっと強く抱きしめられるから、びっくりしちゃって。

でも、それが嬉しくて俺も腕を背中に回した。


「大丈夫、山ちゃんなら大丈夫。大丈夫」


「はは、大丈夫って言いすぎ。」


ポンポン、と背中を叩けば、えへへと笑う声。

身体を少し離して、いのおちゃんの顔を見上げる。

くぃっと背伸びをして、唇に軽く口付けをした。


「...いのおちゃんも、明日よろしくね」


一緒にプレイはしないけど、大事な仲間だから。


「学校でキスはダメでしょ...。」


恥ずかしそうにそう言ってから、今度はいのおちゃんが俺にキスを返してくれた。



「...こちらこそ、よろしく」






___3年間の青春を一緒に駆け抜けて、

明日へのエールをお互いに送り合えば、何も怖いものなんて、無いね。






手を繋いで、影を一つにしてふたりでグラウンドを歩いた。







fin


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Music 明日へのYELL

by mapii


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作者名:ゆかいな腐女子たち x他1人 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/ke_i_817  
作成日時:2017年8月6日 13時

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