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｢初めて練習に参加した時、いのおちゃんがいてさ。俺びっくりしたの｣
｢なんでよ｣
｢こんな白くて細いヤツがサッカーできんの！？って｣
｢あはは、酷いなぁ。ま、俺マネージャー志望だったけどね最初から｣
それにも、びっくりした。
なんでこんな子がって。
｢俺ねー、いのおちゃんが試合前に皆にあげる塩レモンのスポドリめちゃくちゃ好きなの｣
｢あー、俺が調整して作るお手製スポドリ。｣
｢そうそう。裕翔くんとかも好きって言ってたなぁ｣
｢そりゃよかった。3年間作り続けた甲斐があったよ｣
明日も作ってくから、って言って俺に笑いかけるいのおちゃんの顔は、本当に綺麗。
｢俺ねぇ覚えてるのあるよ。3年が抜けて新体制になった時さ、山ちゃんめちゃくちゃキレてたよね｣
｢懐かしい〜！あれだろ、練習サボるやつ多すぎて｣
｢そうそう、3年抜けたから少し気抜けちゃったんだよね皆。なのに山田はさ、『チンタラしてんじゃねーよ！！』て笑｣
｢真面目にやってた1年にめちゃくちゃビビられたのを覚えてます...｣
あったあった、俺がキレて、険悪なムードになった時期。
でもそれをなんとか良い雰囲気にしようと頑張ってくれたのがいのおちゃんで。
ふわふわーってしてるくせに、そういう時はやるんだよなぁ。
｢あと、山ちゃん大泣き事件。｣
｢思い出したくないんだけど...｣
｢自分でメンバーに強く言ったくせに、言い終わったあと皆の前でぼろぼろ泣いて『ごめんなさい』ってね｣
｢...なんでそんなに覚えてんの｣
｢覚えてるよー。怒ってキレてんのに謝るんだもん泣きながら｣
｢あの時は疲れてたんだよ...｣
俺が強く言いすぎてメンバーが困惑した表情を俺に見せて。それであぁまたやっちゃった、って思って、思わず泣いちゃったヤツ。
その時も、いのおちゃんが俺を宥めてくれて。なんとか落ち着き取り戻して話し合いできたんだっけ。
｢俺いのおちゃんに助けられてばっかだわ｣
｢ふふ、そう？｣
なんてことないような顔してるけど、いのおちゃんだって大変だったの知ってる。
慣れないマネージャーの仕事をひとりで頑張ってこなして、メンバーのケアもして、、
逆にいのおちゃんが疲れちゃって、俺に泣きついてきたこともあった。
｢全部、懐かしいね｣
｢うん...みーんな、たくさん泣いた｣
｢男なのに｣
｢男だからじゃん？｣
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作者名：ゆかいな腐女子たち x他1人 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/ke_i_817
作成日時：2017年8月6日 13時
