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目の前で軽やかに踊る知念に必死でついていく。
要領がよくて、飄々としていて、でもほんとは必死にできる自分を保っているひと。
わがままなお姫さまを装って、実は周りをよく見ているから一歩引くのが上手なひと。
見えるところでの努力を嫌うひと。
こんなに上手なダンスは、見えない努力の賜物だ。
「……ついてこれてる?」
「ああ、うん。まだ平気だよ」
いつもわがままを言う裏で、ほんとは申し訳なく思っていることを知っている。
自分はなんにもできてないのにって思っていることも。
でもね、そんなことないんだよ。
わかりやすくない優しさが、知念の美徳なんだって。
ちぃちゃんは、俺がごめんなさいじゃないでしょって言ったらありがとうって言ってくれるけど、こちらこそありがとうなんだよ。
Jr.に入りたてのとき、最初にできた仲良しが知念だった。
日本語教えてくれたり、遊んでくれたり。
悩みがあったらなんにも訊かずにずーっと一緒に歩いてくれたり。
思春期らしくゴタゴタしていた裕翔と山ちゃんの間にするりと入り込んで緩和して、そのくせ俺も気にかけてくれて。
今もそう。
なんにも訊かずに、そばにいてくれる。
ありがとう、俺を選んでくれて。
「ここ、難しいよね……」
「リズムに合わせたらできるよ」
俺のことを好きになってくれて。
君が笑ってくれるから、一人じゃないんだって思えるんだ。
君がいるから、幸せだなって思えるんだ。
だから、いつもありがとう。
「あ、」
「……できたじゃん!」
振り返り、キラキラした笑顔に、感謝を込めて微笑んだ。
(Thank you for your everything!!)
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Song:『ありがとう〜世界のどこにいても〜』
君がここにいることに、ありがとう。
Written by まそら
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作者名:ゆかいな腐女子たち x他1人 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/ke_i_817
作成日時:2017年8月6日 13時