贖罪 ページ34
kwkm＿side
「女は、少なくとも私は。許されることを望んでいるんです。でも、主人公はそうでない気がするから、少し憧れてしまう」
「彼女の場合、そう望まなくても男は許してくれるから」
「そんな相手、中々出会えませんけどね」
だから小説なんだ。出会うべくして出会う人々の人生だから、読まれるわけで。だからロマンチックで、誰かが憧れる。
俺がもし、今はまだ知らないけど、彼女の全てを許したとしよう。
もしかしたら、毎夜妖しげなネオンの町に消えていく人なのかもしれない。
ピアスの数だけ恋を失敗してるのかもしれないし、小説もびっくりな奔放な人なのかもしれない。
彼女は遊ぶけれど、少なくとも俺がその全てを許して、いつでも、どこまでも彼女を受け入れるような男になれば。もしかしたら俺の手元にいてくれるのかもしれない。
小説みたいな恋をすればいい。ロマンチックになれば、
「藤崎さん、僕と付き合ってくれませんか？」
「へ……？」
唐突すぎたのは、まぁ、許して欲しい。
周囲で騒いでいたメンバーも急に静かになって、一斉に振り向いた。
「わ、私が、ですか……？」
「あ、別に深く悩まないでください。……意味、わかりますよね？」
彼女の手の置かれた本を、俺の指で小突いてみる。あんな話の後で、告白したのだから。
藤崎さんだって鈍くないはずだ。
俺は多分、藤崎さんの全部を許せるし、許すから。
「……あなた、それ……浮気も構わないとおっしゃってるのと変わりませんよ」
「だぁからそう言ってるやろ……ただ、藤崎さんのこと俺以上に好きになる奴はいないはずです」
藤崎さんが一番好きと言ったこの本から、台詞を借りる。これならいける気がする。とか、非リアがほざく。
「ちょ、これカメラ回ってません？え、伊沢さん隠してらっしゃるでしょう！？」
「はぁ？！隠してないよ！一応俺等ね、今藤崎ちゃんより驚いてるかんね！？」
「待ってくださいよ川上さん〜！さっきだって、ちゃうわって！ちゃうわって……！！」
「ごめん、山本狙ってた？」
「違いますけど川上さんの手が早くて驚いてるんです！！」
「手は出してないやろ」
「そうじゃなくて！」
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きりは(プロフ) - 雰囲気も、言葉選びも、何もかもが美しくて、一番大好きな夢小説です。更新を辞められたのかもしれませんが、凄く幸せな気持ちにさせて頂いたのでコメントさせていただきます。お身体にはお気をつけて。 (2021年8月15日 15時) (
レス) id: 5e4309df87 (このIDを非表示/違反報告)
Loot(プロフ) - 珈琲丸さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると本当に励みになります。是非またいらしてください！ (2020年12月20日 12時) (レス) id: b999c2c44c (このIDを非表示/違反報告)
珈琲丸 - 文章がとてもきれいで素敵です。ご無理のない範囲で頑張ってください。ありきたりですが応援しています。 (2020年12月19日 20時) (レス) id: 13095fee98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Loot | 作成日時：2020年12月13日 0時
