不機嫌 ページ31
izw＿side
「……僕は、サシで飲みたいって言ったんです」
「わ、私は別に大勢でお食事するのは嫌いじゃありませんよ……？」
「まーまー、いいじゃん川上！少なくとも藤崎ちゃんの分は俺の奢りだからさー」
料理が美味しくて酒も比較的安い、クイズノックお気に入りの居酒屋を目指す。
メンバーは相変わらずだが、藤崎ちゃんがいるのは少し珍しい。
「あ、藤崎さーん！お久しぶりです！」
「あら、山本さん。そういえばお久しぶりですね」
「最近すれ違いばっかでしたもんねー！」
確かに川上には二人で飲みたいから、と訊かれたが俺は俺で藤崎ちゃんには奢りたいのだ。だって、彼女のおかげで登録者数増えたし。
と、いうのは建前で。
山本とほわほわと会話する藤崎ちゃんを、つまらなそうに目つめる川上を観察したかったのだ。
目に見えて苛立つ川上は結構面白い。
川上も藤崎ちゃんも、天然といえば天然で、そうでないといえばそうでない。誠に面倒な性格をしている。ま、どちらかといえば藤崎ちゃんの方が厄介な性格かもしれない。
女性特有のものなのかね。
「川上さんサシで飲みたいだなんて〜！以外とグイグイ来るんですねぇ」
「ちゃうわ。借りとった本の返却と、感想……」
「藤崎さんから借りてたんですか？……あ、あれか！ペルセフォネツイートの！」
山本とこうちゃんの末っ子組が川上を挟んで、恋バナする女子のようなテンションではしゃいでる。
こうちゃん曰く、あのツイートはペルセフォネツイートらしい。いや、まんまじゃねぇか。
「何やねんその呼び方……」
「何て本ですか？」
「坂口安吾の、青鬼の褌を洗う女」
「へぇ……坂口安吾……！なんか藤崎さんのイメージと違いますね……！」
「そうですか？」
「だってかぐや姫っぽいじゃないですか」
「何ですかそれ〜！初めて言われましたよ」
「かぐや姫って何！少なくとも人に貸す本じゃねぇよ」
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きりは(プロフ) - 雰囲気も、言葉選びも、何もかもが美しくて、一番大好きな夢小説です。更新を辞められたのかもしれませんが、凄く幸せな気持ちにさせて頂いたのでコメントさせていただきます。お身体にはお気をつけて。 (2021年8月15日 15時) (
レス) id: 5e4309df87 (このIDを非表示/違反報告)
Loot(プロフ) - 珈琲丸さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると本当に励みになります。是非またいらしてください！ (2020年12月20日 12時) (レス) id: b999c2c44c (このIDを非表示/違反報告)
珈琲丸 - 文章がとてもきれいで素敵です。ご無理のない範囲で頑張ってください。ありきたりですが応援しています。 (2020年12月19日 20時) (レス) id: 13095fee98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Loot | 作成日時：2020年12月13日 0時
