私のバイブル ページ4
A_side
「え、ちょ、どしたの川上？急になになに？」
「やっと喋ったっと思ったら急にどうしたんですか」
「文学部の人が勧める本って読みたくなるんですよ」
まぁ、確かに、と。口々に尋ねていた皆さんの声は同意に変わった。
「それに、そういう本て面白さに信頼できるから」
お茶を会議机にお出ししていた私と、そこに座っていた川上さんだから、必然的に彼が私を見上げる形になる。チラッと私の表情を伺う彼はいつもより随分幼く見えた。
「だめ、ですかね」
本を借りて良いか尋ねているだけなのに、いたずらがバレた子供みたい。何だか可愛くて、思わず頬が緩んだ。
「いえ、是非。嬉しいですね、好きな本に興味を持っていただくのって。お仕事が終わったらお持ちしますね」
「今あるんですか」
少し目を見開いて、ぱちぱちと数度瞬きをしていた。長いまつ毛が揺れるのが、若干羨ましい。
「えぇ。この本だけは、何処にでも持ち歩いてるんです。私のバイブルですからね」
思い付いたままに言った割には、バイブルというのは随分しっくりくる言葉だ。
気に入ったから、しばらくは使おうかしら。
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きりは(プロフ) - 雰囲気も、言葉選びも、何もかもが美しくて、一番大好きな夢小説です。更新を辞められたのかもしれませんが、凄く幸せな気持ちにさせて頂いたのでコメントさせていただきます。お身体にはお気をつけて。 (2021年8月15日 15時) (
レス) id: 5e4309df87 (このIDを非表示/違反報告)
Loot(プロフ) - 珈琲丸さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると本当に励みになります。是非またいらしてください！ (2020年12月20日 12時) (レス) id: b999c2c44c (このIDを非表示/違反報告)
珈琲丸 - 文章がとてもきれいで素敵です。ご無理のない範囲で頑張ってください。ありきたりですが応援しています。 (2020年12月19日 20時) (レス) id: 13095fee98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Loot | 作成日時：2020年12月13日 0時
