その執着を、 ページ29
kwkm＿side
「不特定多数から、誰でも良いから可愛いって言って欲しいんですもの。自己顕示欲の塊です」
「それは……誰でもそうでしょうし、全ての根本じゃありません？じゃなきゃYouTuberなんて仕事は生まれません」
「あら、でも今ここにサチ子がいてもこの仕事は始めませんよ……彼女は彼女の世界で、出会う人に愛されて、過ぎ去って行く人を追わない」
私は目の前のたった一人にすら執着してしまう、そう小さく藤崎さんは付け加えた。
ひどく悲しげに聞こえて、また、あぁ、まただ。
……なんで俺、この人をこんなに知りたいんやろ
目の前のたった一人に執着してくれるのなら。俺にも、彼女が誰にだって与えうる愛の、その一ミリくらいわけて貰えないものだろうか。
「じゃあ、執着してもらえませんか。俺に」
「はい？」
素っ頓狂な声を上げて、目を丸めさせた。お淑やかなお嬢さん、そんなイメージで勝手に固めていた彼女は、俺が思うよりずっと表情豊かだ。
「とりあえず、今日の夜飲みに行きません？」
「え、あぁ、是非。川上さんがよろしければ、」
「あ、待ってください。すみません、藤崎さんお酒飲む人かも僕聞いてませんでしたよねホントすみません……」
「んっ、ふふっ…何なのよさっきから〜〜！いやに真面目な顔したり謝りだしたりっ、可笑しな人ね……ふふっ、お酒はそれなりに好むんです」
早口に捲し立てる俺に呆れたのか、堪えきれないように吹き出した。俺に対しては、多分初めての少し砕けた話し方。すぐにお堅い敬語に戻ったが、何となく彼女が少し気を許してくれた気がする。
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きりは(プロフ) - 雰囲気も、言葉選びも、何もかもが美しくて、一番大好きな夢小説です。更新を辞められたのかもしれませんが、凄く幸せな気持ちにさせて頂いたのでコメントさせていただきます。お身体にはお気をつけて。 (2021年8月15日 15時) (
レス) id: 5e4309df87 (このIDを非表示/違反報告)
Loot(プロフ) - 珈琲丸さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると本当に励みになります。是非またいらしてください！ (2020年12月20日 12時) (レス) id: b999c2c44c (このIDを非表示/違反報告)
珈琲丸 - 文章がとてもきれいで素敵です。ご無理のない範囲で頑張ってください。ありきたりですが応援しています。 (2020年12月19日 20時) (レス) id: 13095fee98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Loot | 作成日時：2020年12月13日 0時
