トリップしたら鬼滅の刃だったんだけど… 弐

陸拾弐 ページ39

「お前いいなぁあ。
その顔いいなぁあ。肌もいいなぁ。シミも痣も傷もねぇんだなぁあ。
肉付きもいいなぁあ。俺は太れねぇんだよなぁ。
上背もあるなぁあ。縦寸が六尺は優に超えてるなぁあ。
女にもさぞかし持て囃されるんだろうなぁあ。

妬ましいなああ。妬ましいなああ。死んでくれねぇかなぁあ。そりゃあもう苦しい死に方でなぁあ。生きたまま生皮剥がされたり腹を掻っ捌かれたりそれからなぁ。」 ﾎﾞﾘﾎﾞﾘ

派手派手さんは黙ったまま、妓夫太郎の言っている事を聞いている。

「お兄ちゃんコイツだけじゃないのよまだいるの！！アタシを灼いた奴らも殺してよ絶対！
アタシ一生懸命やってるのに凄く頑張ったのよ一人で……！！それなのにねぇ皆で邪魔してアタシをいじめたの！！よってたかっていじめたのよォ！！」

「そうだなあ。そうだなあ。許せねぇなぁ。俺の可愛い妹が足りねえ頭で一生懸命やってるのをいじめるような奴らは皆殺しだ。

取り立てるぜ俺はなぁ。やられた分は必ず取り立てる。
死ぬときグルグル巡らせろ。俺の名は妓夫太郎だからなああ」

言うと同時に妓夫太郎は鎌で攻撃を始めた。

避難は終わっている。

人の被害が出ることはないだろう。

バギャッ

建物が一部壊れた。

ギャンギャン

音をたてて鎌が戻ってくる。

「妬ましいなぁあ」 ﾎﾞﾘﾎﾞﾘ

「さあな。お前とは価値観違うからな」

『ねえねえ、鬼さ〜ん！この人、女房三人いるよ〜！』

壁からひょこっと身を乗り出して言う。

原作に近づけないと、何が起こるかわからなくなるかもしれない。

「お前、今までどこにいたぁあ？

まあでも、お前女房が三人もいるのかよ。
ふざけるなよなぁ！！なぁぁぁ！！許せねぇなぁぁ！！

血鬼術・飛び血鎌」

おわ、予想以上に斬撃が多いな。

派手派手さんもめんどいのか、原作通り下へおりたよ。

ドン

ドッ

「逃さねぇからなぁ。曲がれ飛び血鎌」

ギュル

ギャギャギャ

派手派手さんが血鎌を弾き、バッと構えたのは、多分あれ。

爆発するやつ。

派手派手さんはそれを上に投げ、斬った。

ドン

さっきよりも大きな音がし、家が爆発した。

その時に伊之助の悲鳴が聞こえた気がした。

「……まぁ一筋縄にはいかねぇわな」

パラパラと家のクズが落ち、それとともにしゅるしゅるしゅると帯の開く(？)音がする。

「俺たちは二人で一つだからなぁ」

思った

これ、私いなくてもあんま変わんないよね？

変わんないようにしてはいるけど

陸拾参→←陸拾壱

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す