陸話 ページ8
『どっどうしてっ?さっきはいいって……』
胡蝶「やっぱり、駄目です。」
胡蝶は姉の願いを思い出したのだ。
Aは人を喰っていない。
仲良くなれるのでは?
そう考えたのだ。
だがAはそんなんで、諦める訳には行かなかった。
だから、自分で血鬼術を使った。
自分に向かって。
『血鬼術・
この血鬼術は一週間かけてAの体を蝕み、最後は塵になって消えてしまう。
そういう血鬼術なのだ。
一週間後・・・
Aは蝶屋敷で寝ていた。
一週間立つ間、Aはしのぶと義勇に頼んで、柱を呼んだ。
柱は最初こそ殺そうと言っていたが、Aと話すうち、やはりその心は無くなっていった。
そして──
『ハァ、炭治郎、を、呼んでくれ、る?ハァハァ』
Aは苦しみながら炭治郎を呼んだ。
アオイ「わかりました!」
アオイが炭治郎を呼び、炭治郎はそろそろ一週間が立つことから、しのぶや義勇も呼んだ。
ガラ
戸を開いて、炭治郎達が入ってくる。
『ハァハァ、炭治郎。あの、ね。お願いが、、あるの。』
炭治郎「お願い…?」
『私を、殺してくれない?』
炭治郎「何を言っているんだ?そんな事出来ない」
Aは、もう、辛いとか、苦しいとかはどうでも良かった。
ただ、どうせ死ぬなら、炭治郎のような、優しい人に斬られたい。
もしかしたら、その“温もり”を思い出せるかもしれない。
何故だか昔に感じてしまう、当たり前だった、懐かしい日々を。
そう、思い始めていた。
───でも、これは秘密。
なんだか恥ずかしいから。
だからごめんね。
最後の最後だけど、嘘をつくね。
『もう、苦しいのはッ嫌、、なの、。ゲホッだから、早、く、殺して、?』
ゲホッゲホッ ヒュー ヒュー
激しく咳き込み、苦しそうに息をするAを炭治郎はほおっておけなかった。
炭治郎「わかった。わかったけど、もう、後少しだけ…!まだ側にいてくれ……!」
ポロポロと涙を流す炭治郎。
それは、他の人もだった。
静かに涙を堪えながら泣くしのぶ。
静かに、ただ静かに涙を流す義勇。
義勇もしのぶも、もうAをただの鬼とは見えなくなっていたのだ。
“死んでほしくない”
そんな思いがひしひしと伝わってくる。
でもAはそんな悠長な事をしている暇は無かった。
メラメラと近づいてくる死の炎に気持ちばかりが急かされた。
『炭治郎ッ!早、く!』
炭治郎「わかった……!」
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水城舞梨亜(プロフ) - 抹茶タピオカ2号さん» 夢主ちゃん……ホントは可哀想だなぁとか思いながら書いてる(ヽ´ω`)((( 面白い、何よりです! (2020年3月27日 21時) (レス) id: 0e4689ecab (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 水城舞梨亜さん» 夢主ちゃんどんどん死が、ちかずいてる((( ;゚Д゚)))ガクガクとても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年3月27日 19時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
水城舞梨亜(プロフ) - 抹茶タピオカ2号さん» いやホントごめんなさい!昨日、寝ぼけたのか何なのか非公開にし忘れちゃってて!もうこんな事は無いようにします( ;∀;)今日はもう一話更新しまぁす。 (2020年3月24日 22時) (レス) id: 0e4689ecab (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 水城舞梨亜さん» マジすか( ゚□゚) (2020年3月24日 20時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
水城舞梨亜(プロフ) - 抹茶タピオカ2号さん» 面白いと言ってくれてありがとう!!!(*´▽`*) (2020年3月24日 20時) (レス) id: 0e4689ecab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水城舞梨亜 | 作成日時:2019年12月18日 22時