検索窓
今日:23 hit、昨日:2 hit、合計:150,724 hit

陸話 ページ8

『どっどうしてっ?さっきはいいって……』

胡蝶「やっぱり、駄目です。」

胡蝶は姉の願いを思い出したのだ。

Aは人を喰っていない。

仲良くなれるのでは?

そう考えたのだ。

だがAはそんなんで、諦める訳には行かなかった。

だから、自分で血鬼術を使った。

自分に向かって。

『血鬼術・骨傷白化(こつしょうはくか)

この血鬼術は一週間かけてAの体を蝕み、最後は塵になって消えてしまう。

そういう血鬼術なのだ。

一週間後・・・

Aは蝶屋敷で寝ていた。

一週間立つ間、Aはしのぶと義勇に頼んで、柱を呼んだ。

柱は最初こそ殺そうと言っていたが、Aと話すうち、やはりその心は無くなっていった。

そして──

『ハァ、炭治郎、を、呼んでくれ、る?ハァハァ』

Aは苦しみながら炭治郎を呼んだ。

アオイ「わかりました!」

アオイが炭治郎を呼び、炭治郎はそろそろ一週間が立つことから、しのぶや義勇も呼んだ。

ガラ

戸を開いて、炭治郎達が入ってくる。

『ハァハァ、炭治郎。あの、ね。お願いが、、あるの。』

炭治郎「お願い…?」

『私を、殺してくれない?』

炭治郎「何を言っているんだ?そんな事出来ない」

Aは、もう、辛いとか、苦しいとかはどうでも良かった。

ただ、どうせ死ぬなら、炭治郎のような、優しい人に斬られたい。

もしかしたら、その“温もり”を思い出せるかもしれない。

何故だか昔に感じてしまう、当たり前だった、懐かしい日々を。

そう、思い始めていた。

───でも、これは秘密。

なんだか恥ずかしいから。

だからごめんね。

最後の最後だけど、嘘をつくね。

『もう、苦しいのはッ嫌、、なの、。ゲホッだから、早、く、殺して、?』

ゲホッゲホッ ヒュー ヒュー

激しく咳き込み、苦しそうに息をするAを炭治郎はほおっておけなかった。

炭治郎「わかった。わかったけど、もう、後少しだけ…!まだ側にいてくれ……!」

ポロポロと涙を流す炭治郎。

それは、他の人もだった。

静かに涙を堪えながら泣くしのぶ。

静かに、ただ静かに涙を流す義勇。

義勇もしのぶも、もうAをただの鬼とは見えなくなっていたのだ。

“死んでほしくない”

そんな思いがひしひしと伝わってくる。

でもAはそんな悠長な事をしている暇は無かった。

メラメラと近づいてくる死の炎に気持ちばかりが急かされた。

『炭治郎ッ!早、く!』

炭治郎「わかった……!」

漆話→←伍話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (72 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
74人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

水城舞梨亜(プロフ) - 抹茶タピオカ2号さん» 夢主ちゃん……ホントは可哀想だなぁとか思いながら書いてる(ヽ´ω`)(((  面白い、何よりです! (2020年3月27日 21時) (レス) id: 0e4689ecab (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 水城舞梨亜さん» 夢主ちゃんどんどん死が、ちかずいてる((( ;゚Д゚)))ガクガクとても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年3月27日 19時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
水城舞梨亜(プロフ) - 抹茶タピオカ2号さん» いやホントごめんなさい!昨日、寝ぼけたのか何なのか非公開にし忘れちゃってて!もうこんな事は無いようにします( ;∀;)今日はもう一話更新しまぁす。 (2020年3月24日 22時) (レス) id: 0e4689ecab (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 水城舞梨亜さん» マジすか( ゚□゚) (2020年3月24日 20時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
水城舞梨亜(プロフ) - 抹茶タピオカ2号さん» 面白いと言ってくれてありがとう!!!(*´▽`*) (2020年3月24日 20時) (レス) id: 0e4689ecab (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:水城舞梨亜 | 作成日時:2019年12月18日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。