夢主死ネタ短編集＿＿弐【鬼滅の刃】

＿壱話 ページ43

最終決戦。


近く、それは起こると言われていた。


そんな中でも､いや、そん中だからこそ、私は諜報員として働く。


カナエ姉さんに拾われて、カナエ姉さんを鬼に殺されて。


幸せは長くは続かない。


禍福は糾える縄の如し。


永遠に幸せが続くなんてことはない。


それを思い知った。


その後も不幸の様なものは続いた。


しのぶ姉さんはまるでカナエ姉さんの笑顔をするようになって、

カナヲはまた喋らなくなった。


何でた。

禍福は糾える縄の如しなんだろ？

どうして、幸福がやって来ないの…？


でも、幸福はやって来た。


人生で二番目に大きい幸福。


一番は姉さん達に拾われた事。


二番目は、しのぶ姉さんが毒を飲んでいるのを呑んでいるのを見つけた事。


カナエ姉さんが死んで、家族は減った。


もう、二人だけなのだ。


私が、気を許せるのは。


そういう意味では、しのぶ姉さんが死ぬのをとめられたから幸福と言える。


何とか、しのぶ姉さんを説得して私が毒を呑むことにした。


その時は、私も毒は呑まないから姉さんも呑まないでと言った。

私が情報を手に入れて戦いを有利にするから、と。


しのぶ姉さんは取り敢えず納得してくれた。


……私の気持ちも、わかったんだと思う。


それから、どっちが生きた方が人を救えるか。


私には、剣の才能も何も無かった。


しのぶ姉さんの様に毒は使えても、打ち込めない。


カナエ姉さんの様に柱になるなんて夢のまた夢。


カナヲの様に継子になる事だって。


私には、鬼殺の才能がないのだ。


だから私は

皆を、カナヲをしのぶ姉さんを、守る。


たとえ私が────




死んだとしても。



ただ、毒殺を実行するにあたって問題はいくつかあった。


まずは、最終決戦、私としのぶ姉さんが一緒に童磨、上弦の弐に会えるかどうか。


しのぶ姉さんや、できればカナヲも一緒に居て欲しい。


私が取り込まれるタイミングは大事だ。


また、そもそも童磨が私を取り込むかという点も問題である。


しのぶ姉さんの様に柱ではないから、優秀な体というわけでもない。


まぁ、女ではあるからあまり問題ではないかもしれないけど。


後、一年の間にどれだけの毒を呑めるか。


どのくらいの濃度ならいけるのか。


そしてこの毒で、


───本当に殺せるのか。


そしてひとつひとつを解決させている内に一年はあっという間に過ぎた。

＿弐話→←設定

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す