夢主死ネタ短編集＿＿弐【鬼滅の刃】

＿伍話 ページ18

煉獄Side
─────
Aが死ぬ直前、こちらを見た気がした


笑っているような、泣いているような顔だった


“動けなかった”


この事に今ほど後悔したことはない


何も出来ずにAが死ぬのか


そう思うと、思わず体が動いた


今の俺ではありえないことだった


怪我をし、疲労が溜まったこの体では到底不可能だと思っていた、呼吸を使えた


炎の呼吸、奥義 玖ノ型。


煉獄!!!


すべてがゆっくりと動いているように見える


ありえない次元で体が動いていく


間に合え


少しでもはやく、少しでもAの負担を減らせ


無我夢中とはこのことだろう


カハッ!!


鳩尾に猗窩座の腕が貫通する


『煉獄、さん…？』


Aは戸惑いを隠せないようだ


煉獄「Aは、伍を…！」


ここで上弦の伍が俺を殺せば、状態は振り出しに戻る


離さない……!!


猗窩座「チッ！」


ドンッ!!


玉壺「まずいぞ、」


タッ!!


逃げ、たか


ボッ!!


炭治郎「逃げるな、卑怯者!!逃げるなァ!!!」


竈門少年…


炭治郎「いつだって鬼殺隊はお前らに有利な夜の闇の中で戦ってるんだ!!生身の人間がだ!!傷だって簡単には塞がらない!!失った手足が戻ることもない!!」


炭治郎「逃げるな馬鹿野郎!!馬鹿野郎!!卑怯者!!」


炭治郎「お前らなんかより煉獄さんとAさんの方がずっと凄いんだ!!強いんだ!!煉獄さんもAさんも負けてない!!誰も死なせなかった!!」


そうか…


炭治郎「戦い抜いた!!守り抜いた!!」


炭治郎「お前の負けだ!!煉獄さん達の勝ちだ!!」


ありがとうな、竈門少年


〈〈〈煉獄Side終了〉〉〉


ASide
───────

炭治郎「うあああああ！ああああ!!!あああああ!!あああ！わあああ！ああああ」


私も、泣きたい…


叫びたい…


煉獄「もうそんなに叫ぶんじゃない」


煉獄さん…


煉獄「腹の傷が開く。君も軽傷じゃないんだ」


ねぇ、何でですか…


煉獄「竈門少年が死んでしまったら俺の負けになってしまうぞ」


何でそんなに人の心配ができるんですか。


煉獄「こっちにおいで」


貴方の方が大変なのに…！


煉獄「最後に少し話をしよう」


最後なんて言わないで


ザ、ザ、ストン


足の力を抜くように座り込む


煉獄「思い出したことがあるんだ。昔の夢を見た時に」


※文字数的に飛ばします


煉獄「俺は信じる。君たちを信じる」


『煉獄さん…』


煉獄「A、君はずっと、笑っていて欲しい。笑ってくれ、A」

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