夢主死ネタ短編集＿＿弐【鬼滅の刃】

最後まで。＿拾壱話 ページ1

胡蝶さんが私の体を調べ始め、数分がたった


不死川「胡蝶、まだかァ？」

胡蝶「それが…ないんです。治す術が。どうしても見つからないんです」

煉獄「どういうことだ？」

胡蝶「元々、この血鬼術は、弱いものでした。
多分、掛けられた当時から三、四年なら解けたでしょう。
しかし、今はAさんの体力や命そのものを取り込み強力になっています。
せめて一週間、いえ、四日程でも時間があれば…
もしかしたら、解毒薬のような物を作れたかもしれません」


そっか、私があの時言ってればよかったのか


『みんな、ごめんなさい。私のせいで…』

時透「気にしないでよ。僕達はAが好きなんだから」

『ありがとう、無一郎君』


宇髄「なぁA。Aは知らないのか？助かる方法」

知らない事もない…でもそれは…

伊黒「何か隠してる風だな。あるんだな？言え」

え、すぐにバレるの何で？

ってそんな場合じゃない


『でも、これはっ…！』

甘露寺「いいから言って！！！私、Aちゃんに、死んでほしくないの！それに時間ももうないのよ！」

いつになく、甘露寺さんが大きな声を出す

甘露寺さん…

『私が助かる方法は…




“鬼”になることです

鬼となれば血鬼術は消え、何時までも生きられる、と鬼は言っていました
でも私は、鬼にはなりたくありません
皆と、皆さんと鬼を滅すると約束しました
なのに私が鬼になんてなれません！』


それに、鬼になるには鬼舞辻の血が必要

『だから、冨岡「そんなもの、関係がない」…！』

冨岡「どんな約束も皆が生きていなければ意味をなさない。その死が助かる可能性があるものならばなおさら」


『でも、ごめんな悲鳴嶼「何故謝る」…』

悲鳴嶼「私達がしたその約束は。冨岡の言う通り、皆が居て初めて意味を持つ。誰か一人でも欠ければそれは。想いのこもらない物となる」


あの約束を

皆が、覚えていてくれて

皆が、大切に思っていてくれて

素直に、私は嬉しかった


でも私が死ぬのは後15分後

その間に鬼舞辻を見つけるなんて事は出来ない

結局、私は死ぬしかない


それなら、しっかりとお礼を言いたい

『皆さん。どう足掻いても、後15分程で鬼舞辻は見つかりません。だから皆さんにお礼を言いたいんです』

みんな、黙ってしまった

そりゃそうだ

私の言っている事は事実

でも、受け入れたくないんだと思う

『ごめんなさい』

一言謝ってから皆にお礼を言おうとする

少し、後悔したかもしれない

＿拾弐話→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す