自分を恐れる少女がみんなに愛される話 (ページ42)

今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:145,935 hit

人の心に巣食う鬼ページ42

無一郎は先程男に襲われそうになり相当気分を害したのか男をゴミ見るような目で見ている。

まぁ女装自体嫌がってたし。それに男に襲われるって本当に嫌だったんだろうな。

拘束した男は大人しく瓶の中身について話し出した。

男「瓶の中身の出所については詳しく知らないぜ。俺は雇い主にこの薬を使えば簡単に人をさらってこれると言って渡されただけだ。捕まえた人間を屋敷に連れて行けば報酬をもらえたし詳しい事は何も知らない…」

『そう…では、若い女性ばかりを攫う理由はなんですか？』

男「それは俺が楽しむため…」

無「はっ………(軽蔑の眼差し)」

『……？』

男「ぐへへ…そっちのお嬢ちゃんはそういう事に疎いのかな？雇い主には人間ならなんでもいいと言われているけどね。あえて若い女を狙って屋敷に連れて行く前に俺がいつも少し遊んでるのさ。」

『遊ぶって…？まさか攫われた人達に何か酷いことしたの…？！』

男「酷い事なんて人聞きが悪いな…薬の効果も相まってみんな気持ち良さそうにしてたぜ？なんならお嬢ちゃんもためして…

ゴフッッゥ！！！

男「ぐぁぁぁぁぁああ！！！」

無一郎が顔を踏みつけて地面に男を擦り付ける。

無「律に気持ち悪い事言おうとしないでくれる？殺すよ？お前、自分の立場をもう少し分かった方がいいよ。もしかして頭悪い？分かるようにしてあげようか？」

男「ごべんなざい……。」

男は鼻が折れていた。

『ちょ！！やりすぎぃぃい！！！情報聞き出さないといけないんだから気絶とかさせないでよ？！』

無「優しくやったって進まないじゃん。そういう人間のクズには痛み与えた方がいいんだよ。」

冷たく無表情で言い放つ無一郎。

男「へっへ…可愛い顔してなかなか辛辣な坊ちゃんだ。…どうせ屋敷に連れてった後は女どもはどっかの遊郭やらに売り飛ばされてんのがおちだろ？その前に俺が少し遊んだって何も変わりゃしねぇよ…」

あれだけ無一郎に痛みつけられておきながら口の減らない男だ。

『自分のやった事に罪悪感はないの？幸せに生きていた人達にそんな酷い事して胸が痛まない？』

ヘラヘラと笑う男に虫酸が走る。

己の欲のまま他人から奪う。

この男がやっていることは鬼と何も変わらない。

『はぁ……あなたと話してたら疲れる。これが最後の質問。この瓶の中身の薬の効果は？』

男「君達の可愛い顔に免じて教えてやるよ。その薬の効果は…