自分を恐れる少女がみんなに愛される話 (ページ39)

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無一郎と任務① ページ39

夜になると人が居なくなる村がある。

村のどこかで血痕が見つかり
その度に人が消えてしまうのだという。

3日前に鬼殺隊の剣士が村に向かったが
突然、消息が分からなくなったのだ。

そこで代わりに動員されたのが律だった。

今回、鬼の力量も何も分からない状態ということで戦力強化のために柱である無一郎も駆り出された。

無「一緒の任務は初めてだね。律は他の隊士よりは優秀だし怪我するようなこともないだろうから足手まといにならなさそうで助かるよ。」

足手まといって…

『無一郎、足手まといなんて言い方はよくないでしょ！仲間だったら助け合うの！』

無「…隊士のレベルが低すぎるんだよ。助け合うっていうのは僕が背中を預けられるって思える人じゃないと成立しないと思うけど。まぁ律はいるだけで癒されるし僕が守るから安心して。」

『ありがとう…でも私だってちゃんと戦えるし無一郎の背中守るからね！』

無「…………。」

ボーっと無表情で私を見つめる無一郎。

無「まぁ、律は情報収集さえしてくれればいいよ。あと多分ないだろうけど僕が怪我した時に応急処置したり。」

やっぱ頼りにされていない…

不服だけど無一郎はすごく強い。

それに刀を握ってまだ2ヶ月なのにもう柱になった異例の天才剣士だ。

私は鬼殺隊の本部で住むことになってから剣術の稽古はしていたもののあまり戦いに参加していなかった。

だからサポートのイメージが強いのもあるだろうけど。

今日まで義勇さんにつきっきりで教えてもらって随分剣筋がよくなった。私だって戦える…

無「今回の状況だけど。情報がなさすぎて不自然だ。鬼が人間に紛れて生活してると考えて間違いない。村についたら情報収集をしよう。」

こうして村についた私達は村人に情報収集をした。

・血の跡が残されていて次の日になると人が居なくなっている

・夜に叫び声などを聞いた人はいない

・今まで居なくなったのは若い女の人ばかり

そして不可解なことに残された血の跡はごく僅か。

村にも鬼の気配はない。

『村で人を気絶させてからどこかに持って行って捕食するのかな…叫び声をさせないように必要最低限の攻撃で気絶させてるんだろうけど。』

無「普通、鬼が人間の血を見て捕食を我慢出来るとは思えないな。鬼の仕業じゃないかもしれないね。あ～そうだとしたら面倒だな…」

鬼殺隊の任務でもこういうことは珍しくはない。