自分を恐れる少女がみんなに愛される話 (ページ6)

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設定②(昔の話) ページ6

私は昔から治癒力が高かったり、夜になると勘が冴えて運動能力が高くなった。

だがそれは普通の人より少し高くなるくらいで特別目立つようなこともなかった。

母は私を産んですぐに死亡しそれからは祖父母が私を家族のように愛し育ててくれた。

ある日祖父母は鬼に襲われたのだ。

家に帰ると祖母が血塗れで倒れていた。

『おば…あちゃ…ん…』

祖父「逃げろ律！！！わしが時間を稼ぐ！！」

叔父が震える手で斧を握り鬼から私を守ろうと戦ってくれたが私は腰が抜けてその場から動けなかった。

鬼「お前！！稀血だな？稀血の子供だ！！俺がお前を食って強くなりあのお方に血を分けていただく！！！げははっ！！」

祖父は鬼に投げ飛ばされ血を吐いた。

『おじいちゃん！！！！』

私は祖父のそばに行った。

「律…逃げなさい…お前はわしらの宝だ…お前の母さんが生きられなかった分お前は長く生きなさい…」

『おじいちゃ…っっ！！！私が守っ…

メキメキメキィィィイグチャァア

『うぁぁぁあ…うっ…ふぅ…ふ…う…』
私は鬼に腕をもぎ取られた。

「律…！！！」

私はそのまま意識が遠のいて気絶した。

目を覚ますと私は鬼滅隊の人に介抱されていた。なぜか鬼にもぎ取られたはずの腕がある。

『あの…ここは…あなたは…えと…おじいちゃんは？』

？「俺は富岡義勇。お前は人間か？」

なんでそんな質問をするのか分からない。

『え…』

祖父「お前は化け物だ…」

『どうして？おじいちゃん…私だよ？律だよ！！』

祖父は酷く怯えていて私と目を合わそうとしなかった。それから何日か鬼滅隊の本部でお世話になったが祖父が以前の様に私をみてくれることはなかった。

義勇さんに聞いた話によると私が倒れた後鬼滅隊が助けに来て鬼を倒しその時には私の腕はすでに再生していたらしい。

それをみた祖父が私を鬼だと恐れて今の状態になったと聞いた。

お前はわしらの宝だ…

お前は化け物だ…

おじいちゃんの言葉を思い出し涙が溢れた。

元から治癒力が高いほうではあったけど腕がまた生えてくるなんてまるで化け物だ。

母は私が生まれてくる時に死んだ。私は本当にお母さんの子供なの？おじいちゃんおばあちゃんの孫なの？

私は何者…？

柱の人達も私を疑いの目で見ていたのが分かった。

誰も信じてくれない。自分すら自分が人間だと信じる事が出来ない。

もう…消えて無くなりたい。