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その後案外すんなりと中に入れてもらえた。
無一郎と私は顔を見合わせた。無一郎は目を見開いてこちらを見ている。
『えへへ!どう?成功でしょ?』
無「…嘘だ…ありえない…」
こんな方法であっさり潜入できてしまったことに驚きを隠せない無一郎。
門前で待っていると60歳くらいの男性が出てきた。名前は榊さんと言うらしい。部屋へ招かれ、屋敷に入る私達。
無一郎はすごく警戒しているようで鋭い目つきで周りを観察している。
榊「どうしたんですかね?何か気になることがありましたか?」
『単刀直入に言います。先日捕まえた人攫いの持ち物にここの住所が書かれたメモを発見しました。何か知っていますか?』
榊さんは人の良さそうな笑顔を浮かべている。
榊「そうでしたか。私は医者をやっていました。引退後は怪我をした者や病気の者を家に招き無償で治療しているので、その中にそういう犯罪に加担している者がいたのかもしれません。本当に申し訳ありません。」
『そうなんですね。困ってる人を助けるのは立派な事です。ただ身分なども分からない者を家に招くと危険なのでこれからは十分に気をつけて下さい。』
そしてそのまま私達は屋敷を出た。
『無一郎…』
無「うん、分かってる。あの人は嘘をついてる。」
人攫いの男の持ったメモには金額とここの住所が書かれていた。
無償で治療を行っているならあの金額が表すものは治療費などではない。
つまりあの人攫いの男が言っていた通りこの屋敷の主人である榊さんが雇い主。
無「普通の人じゃ気付かないだろうけどあの屋敷には人間の血の臭いが染み付いてた。あと地下に部屋があるみたいだったけど。鬼の気配は分かりずらかったな。」
『鬼も1体いたよ。おそらく地下。でも普通の鬼と違う気配がする。血鬼術か何かの力なのかもしれないけど巧妙に鬼の気配を隠してるみたいだった。』
言葉に表せない不気味な違和感。
生暖かい風が吹いているのに背筋が寒くなるようなそんな気持ち悪さだ。
でも無一郎は柱。そして私は水柱の継子。
2人が退いてしまえばもう後がないのだ。
無「行くよ。」
少し不安はある。嫌な予感もする。
でも無一郎も一緒だからきっと大丈夫。
『うん。行こう。』
無「僕が律を守るから安心して。絶対大丈夫。」
私の不安を感じ取った無一郎は私の手を握り真っ直ぐこちらを見て言った。
私達は裏口から屋敷に侵入した。
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鮭大根になりたい - 不快に思わせてしまったらすみません。富岡ではなく冨岡だと思うのですが… (2020年5月17日 11時) (レス) id: 9a68fed22a (このIDを非表示/違反報告)
我妻善逸の許嫁 - 柱会議ではなく、柱合会議です怒 (2019年9月12日 16時) (レス) id: af0233cc60 (このIDを非表示/違反報告)
我妻善逸の許嫁 - 鬼滅隊じゃなく鬼殺隊です。怒。 (2019年9月12日 16時) (レス) id: af0233cc60 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ系女子 - 炭次郎じゃなくて炭治郎ですよ! (2019年9月8日 19時) (レス) id: 77961f5a40 (このIDを非表示/違反報告)
枝豆 - 炭治郎の名前が「炭次郎」になってますよ! (2019年9月1日 18時) (レス) id: d20d94dd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芹なずな | 作成日時:2019年7月8日 23時