ナイショの話。

＊ ページ44

伊野尾side

さて、優が風邪をひいたということで今日は看病の日となりました。

久しぶりに圭人とデートできるって思ったけどそれはまた次の機会に…

とりあえず優を起こします。

｢優？優、起きて？｣

トントンと肩を叩くとうっすらと目を開けた優。

｢けー…ちゃ…おはよござます…｣

そういって軽く咳き込んだ。

｢うん、おはよ。起きれる？｣

あぁ、もう本当にだるそう…

代わってやりたい…けど俺もだるいの嫌いだから嫌だ(笑)

｢優、汗いっぱいかいたから洋服着替えよう？｣

｢あいっ…にーちゃ…やってー？｣

上目遣いはずるいなぁ…

女の子と子どもの上目遣いはホント反則…

…おっとこれ圭人に聞かれたら怒られる…

｢…口に出てますよ伊野尾さん｣

｢おわっ！！？｣

ぷくっとほっぺを膨らませた圭人が立っていた。

｢な、なんでここに？！｣

｢なんでって…優の様子見に来ただけだよ(笑)｣

あぁ、そうか…(笑)

｢優、おはよ。大丈夫？｣

｢にーちゃ、おはよござます…｣

俺は圭人と優をじっと見つめた。

うーん…

最近圭人すげーかっこよくなってきたんだよなぁ…

後ろ髪も結んじゃって、健一パパそっくり…


かっこいい…

…ん？あれ？

これってもしかして圭人じゃなくて健一パパが好きなのか？！

あれ？あれ？

｢…ふーん？そうなんだ？｣

じとっとした視線を送ってくる圭人。

｢また心の声が出てましたよ｣

しまった…

｢お、俺が好きなのは圭人だよ？｣

｢そりゃどーも｣

真っ赤な顔してツンツンな態度。

ふふっ

これだから好きなんだよ圭人。

…はっ

いけない、今日は優の看病しなきゃだ。

圭人といちゃこらしてる場合じゃない！

それから俺はおかゆ作ったり、お風呂入れたりでてんやわんやだった。

ーー夕方

｢はぁぁぁぁあ…つっかれたぁ｣

優を寝かしつけリビングでのんびり。

｢お疲れ伊野ちゃん｣

｢圭人ぉ…癒して？はいっ、ちゅーーー｣

どーせいつもみたいに恥ずかしいからやめてとかって拒否られるんだろうけどー

…ちゅっ

………？

｢え？｣

｢…お疲れ様のちゅー…嫌だったら今すぐ顔洗ってきて｣

｢い、嫌なわけないでしょ！！！｣

バチッと目が合って、イヒヒって２人して照れ笑い。

看病、大変だったけど…

御褒美最高だからこれもあり。

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