狗巻棘くんは私と結婚する運命 弐【呪術廻戦】

漆拾玖話 聞いてない！ ページ48

その後、私は野薔薇ちゃんに少し話を聞いてもらった



野薔薇ちゃんはこれから任務だったらしく、私を部屋まで送ると心配そうな表情で寮を出た





「、、、あんまり棘くんに会いたくないな」




、、、色々思い出してしまう





そしてその思い出は全て彼は覚えていないのだ







「、、、独りって寂しい」





自分の足を抱えて





私はまた独り、泣いていた




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「「「いただきまーす！！！」」」




夕食で私達は食堂に集まっていた





「狗巻先輩、大丈夫っすか？



あ、そうか、俺の事も覚えてないか！！





虎杖悠仁です！！」





棘くんは悲しそうに眉尻を下げた





やっぱり覚えていないんだ






私一人だけ忘れられてた立ち直れなかっただろうな






1年生のおかげで食堂の雰囲気はまだ明るい方だった






「じゃあたし達は風呂行くか」




「そうだね」




8時になったらお風呂に行く私と真希






今日は野薔薇ちゃんはまだ帰れないらしい






「また後でな」




私はみんなに手を振った






棘くんは少し戸惑いながら私に手を振った





棘side





「あの、狗巻先輩」





先程挨拶してくれた悠仁が俺の顔を覗き込む





「高菜？」
(なに？)






悠仁は俺の顔をじっと見つめた





そして声を潜めて







「御堂先輩のことも覚えてないんすか？」






「っ！」







俺はゆっくり頷いた






「そっ、、、すよね」






シーンと静まり返った食堂





俺は居心地の悪さに耐えられず悠仁に言った






「高菜ツナすじこ？」
(俺とあの人ってどんな感じだった？)





恵、悠仁、パンダは少し目を見開いた






「どんなって、、、


めっちゃ仲良かったすよ？




な？伏黒」







「あぁ、入り込む隙なしって感じの」






「ま、高専で唯一のカップルだったしな」





うんうん、と頷きながらパンダが爆弾発言をする






「、、、明太子！？？？？」
(カップル！？？？？)






「、、、あれ、悟から聞いてないのか？」




俺は激しく縦に頭を振った






婚約者としか聞いてない！！！







「まぁ婚約者同士だったし、流れ的には自然なんじゃないか？

ま、でも婚約者だからって訳では無いか



互いにゾッコンって感じ？｣






ブワァっと自分の顔に熱が集まるのを感じる





恋人だったなんて聞いてない！！






俺、あの子にどう接すればいいんだ？！

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