狗巻棘くんは私と結婚する運命 弐【呪術廻戦】

漆拾漆話 黒く深い闇 ページ46

「棘、痛いところはある？」




五条先生の声に棘くんが答える






私は棘くんから目が離せない






崩れ落ちた私を支える真希の腕から真希の鼓動を感じる





真希の鼓動も私と同じように早鐘を打っている







棘くんは私を気にするように横目で見ている





半分心配、半分疑心








「、、、真希、浅葱を頼む



少し棘と話をするから」





「、、、分かった」





重く返事をした真希に促されながら私は医務室を出た






棘side





皆が外に出てから家入さんが俺に話しかける






「どこか痛いところは？」





「おかか」
(ない)





家入さんからの質問に絶え間なく答える






「さっきいたメンバーは？」





俺は家入さんからホワイトボードを受け取り名前を書き出す





真希、五条先生、、、






そこで俺の手が止まる






家入さんは訝しむように俺を見る







「もう1人いただろう？」





「、、、おかか、高菜」
(分からない、名前が出ない)





家入さんは表情を曇らせた






中に皆が入ってきた時





一番乗りで女子生徒が入ってきた







「棘くん！」




親しげにその子は俺の名前を呼ぶが思い出せない






てか、こんな子いたっけ？








俺は申し訳ないが聞くことにした






「すじこ？」
(誰？)






彼女は崩れ落ちた






五条先生に促されて真希と医務室を出ていく時





彼女は泣きそうだった






俺、何か悪いことしたのかな







「棘」






五条先生の声に振り返る







「今の子、分かる？」





「、、、おかか」
(分からない)







少し頭を悩ませた




それでも名前は出てこないし記憶もない







五条先生は家入さんにアイコンタクトをした








「棘、ちょっと僕の質問に答えてね


今からここ1年であった話をするよ



記憶があるなら言って」






それから五条先生は俺が入学した時のこと



去年の夏油率いる百鬼夜行のこと





色んな話をし始めた







だけどとある1部から全然知らないことを言う







「おかか」
(知らない)





姉神家？






夏油傑が生きてた？






今あの子を狙ってる？





真希と俺が昨日任務に行ってその夏油に襲われた？







「、、、今まで言ったことは本当にあったことだよ、そしてあの子は両家が認めた棘の婚約者だ」





そんな記憶、、、







ない

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