狗巻棘くんは私と結婚する運命 弐【呪術廻戦】

肆拾漆話 始動 ページ3

貴方になら本望だから









お願い









私を呪って




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


「、、、夢」





目が覚めると医務室の天井







私はぼんやりと天井を見上げた








カーテンが開く音がして目をうごかすと








「ッツナ！！」






棘くんが視界に映り込む





私は微笑んだ







「うん、大丈夫」





私はそっと棘くんの頬に手を伸ばし




頬を撫ぜる






棘くんは私の手に手を添えた






「たかな、、、」





よかった、と微笑む棘くんは




私を安心させた






「お、目覚めた？」





ひょっこり棘くんの後ろから




いつもの服装の五条先生が顔を出す






「あの、私どのくらい眠ってて、、、」






五条先生は呆れたように口を窄めた






「丸一日！！


静御前の意識が眠りについたあとも一向に目を覚まさないから焦ったよ」






私はぼんやりとした頭でどうにか理解する




そして何故か五条先生と棘くんはドギマギしていると思った






「、、、私の意識が眠っている間



何かあったんですか？」





私の問いに棘くんの肩がピクっと揺れた





「、、、わかる？」






五条先生の口振りからやはりあったんだと察する





私が上半身を起こそうとすると棘くんが支えてくれる




棘くんを安心させるように私は微笑んだ






私の瞳を見て五条先生は笑った





「覚悟は出来てる、って目だね






浅葱、君のお母さんのことだけれど」






「お母さん、、、？」





私が物心着く頃には姉神家へ戻されていた







「君の母・姉神紫月は姉神家にいたよ」





私は酷くほっとした





だからなのだろう






自然と涙が頬を伝った





「お母さんに会いましたか？」





「あぁ｣








「お母さんは私を恨んでましたか？」







「いや、眠る君を見て



ほっとしていたよ




「大切な我が子」って呟いてたよ」






私の涙は堪えようのないほどにこぼれ落ちる






棘くんは慌てて私を抱きしめた






棘くんの腕に抱かれながら




棘くんの胸に顔をうずめながら





私は嗚咽を堪えて泣いた






＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿





私が涙を拭い終わった頃





五条先生の元に1本の電話






「え？」






五条先生は電話を切り私たちに向き直る





「、、、転入生だ









名前は









御堂萌黄」

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