狗巻棘くんは私と結婚する運命 弐【呪術廻戦】

肆拾漆話 一縷の光 ページ14

私はどうにかお風呂を上がる





用意されているワンピースを上から羽織る







髪から雫が滴るのも無視して扉を開ける








「先程はすまない」








ぼうっと虚ろな目で声の方を向けば





椅子に座る夏油さん






「、、、ほら、ここに座って」





夏油さんはベッドをポン、と叩いた






慣れた手つきで私の火傷のような傷を処置する







「君は






あの呪言師の彼が好きだったの？」






私はぼんやりと処置を見つめながら縦にうなずいた







「、、、彼は





私と結婚する人なんです、、、






こんな、忌み子と言われて嫌われた私を





妻にしてくれる人なんです





こんな厄介な私に、、、






生きる意味をくれた人なんです」







薬指には白い包帯が指輪のように巻かれている







「、、、棘くん」






止まったはずの涙はまた溢れ出し





止むことを知らない







夏油さんは天井を仰ぐ






「、、、君の相手になる呪霊が決まった」









「、、、え」









私がゆっくりと顔を上げると






彼はニッコリと微笑む







「君がここに連れてこられた理由、分かってるよね？




大いなる呪いを産ませるためだよ」








夏油さんは私の肩に手を置く







「しっかり務めを果たしてくださいね




大いなる巫女」








ここは地獄だ







そしてあの人は悪魔だ

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