狗巻棘くんは私と結婚する運命 弐【呪術廻戦】

肆拾陸話 皆無 ページ13

バチン！！！！




派手な音ともに私の指に痛みが走る







「っあ、、、、」






指が飛んだのかと思う痛み




けれど私の指は健在だ






ただ、赤く火傷のようになっている






黒い紋様は消えていた







「契約者でない私が無理に介入して解いたので多少痛むでしょう」






そう言って夏油さんは何事も無かったかのように姿を消す








赤くなった薬指にもう彼の呪力はない






「、、、っ」






私はただひたすら声を押し殺して泣いた






私の涙は湯船に落ちる






涙の存在すらなかったかのように





私と棘くんの繋がりなどなかったかのように






簡単に消えてしまった




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ＮＯ side




「た、かな、、、」




棘の方でも呪環が消えていた




ふわっと紋様が浮かび散り散りになる






五条は眉間に皺を寄せた





「気づかれた、無理矢理解かされたんだ」





棘の中に絶望の2文字






「、、、」






棘が無気力に項垂れる







「狗巻くん」




ポン、と棘の肩を乙骨が叩く





「浅葱さんの写真を見せて欲しいんだけど」






棘はよく分からずに




スマホを取り出す





1枚だけ撮った写真があった





初めてしたデートの時にクレープを頬張る浅葱





写真は苦手、と言ってなかなか撮らせてくれなかった彼女を唯一写したもの






そっとスマホを乙骨に渡す





「わぁ、、、綺麗な人だね」





乙骨は棘に微笑んだ






「うん、覚えた



これでもし僕が浅葱さんを見つけたとしても皆に報告できる」






その言葉に皆顔を上げる






「先生、呪環が解けたけれど


彼女は無事ですよね」





「あぁ

無理な介入により解除されたから怪我を負っているかもしれないが、、、




多分大丈夫だ」






乙骨はその言葉に微笑んだ






「ここから南南西には古い洋館があります





そこら一体は樹海で樹海を抜けると海




狗巻くんと繋がれた、ということを考えると海を越えている可能性は低いはずです





ということは




この洋館で間違いないでしょう」






乙骨の言葉に皆頷いた






「ツナ！」





棘の掛け声に合わせて皆立ち上がる








あの時聞こえた声







『お願い、助けに来て、、、




棘くん』






あれは紛れもない彼女なんだ






棘はぐっと拳を握る







行くよ






助けに

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