begin of the world2

第56話　会ってはならない人 ページ17

Aside

AM6:30
昨日は疲れたな〜。
まぁ、無事に帰ってこれたから別にいいか。
それよりも気になる。
この頭の隅っこにあるアイディアが。
もう少しで出てきそうなのに出てこない。
イラつく。
A「ウワァ〜〜〜〜!!!!」

枕に顔をうずめて枯らした声で叫ぶ。
イラつく。
何かを思いっきり破壊したい気分だ。
「HAKAI」を作った時もこんな気分だったっけ？
まぁ、いいや。
とりあえずもう1回寝よう。
A「って、ダメじゃん。」
学校があったんだ。
このまま眠ると遅刻をするな。

AM7:30
ピンポーン！
慧君だ。
♪僕らはまた出かけよう愛しい友の所へ！
無理やりRPGにあわせた替え歌だ。
相変わらず狂っているな、私
ガチャ
深瀬「おはよー。」
A「おはよう。」
なぜだか分からないけど私は聡君が玄関の前に立っていると自然と笑みがこぼれる。
深瀬「じゃ、行こっか。」
慧君も負けじとにっこりする。
それがまたかっこいい。
朝から頭の中がやばい事になっているよな。
最近やっと慣れてきたが、いつの間にか手をつないでくる。
最初は「ヒャ！」とか「ワッ！」とか何とか言っていつも迷惑をかけていた。
あの時は本当にごめんなさい。
深瀬「A、声大丈夫？すごいがらがらだよ？」
A「うん、大丈夫だよ！」
深瀬「そう、良かった。あっそうそう、今朝、なんか叫び声が聞こえてきたんだよね、Aも聞いた？」
A「それ、多分私。」
深瀬「あっ！そうだったんだ！なんか声の練習法？」
A「いや、別に、なんか菓子が出てこなくってイラついちゃって。」
深瀬「歌詞は作った事無いからわからないけど俺もそういうことあるよ。」
意外。
こういう相手の意外なところも見つけられる。
やっぱ話す事っていいな。
？「お〜い、もしかしてA？」
･･･こ、怖い。
いきなり無意識に震える体。
深瀬「おい、大丈夫か？寒い？」
そして近づいてくるあの人。
？「おっ、やっぱAだった！俺は朝からA似合えるなんて幸せ者だな！」
怖いよ。
でもとりあえず言わなくちゃ。
A「おはよう、田沼君。」

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