story_37 ページ38
彼女をソファーに座らせ、落ち着くのを待つ。
好きな子が横で泣いているのにこうして何もできない自分が情けない。
『あの、、』
彼女はゆっくり、静かに口を開いた。
『祐基にこんなこと話してもどうしようもないと思うんだけど…少しだけ、私の話聞いてくれる…？』
俺は黙ったまま小さく頷いた。
『大学に入学して当時付き合ってた彼と同棲を始めたんだけど、一年も経たない内に別れを告げられてちゃって、理由もわからないままでショックから抜け出せなかった時にね、
姉が小さな赤ん坊を実家に預けたまま失踪したって母親から連絡が入ったの。
姉と私は血が繋がっていなくてね、姉は私にずっと心を開いてくれることはなかったから母親に姉のことを聞いてみたの。
どうやら姉は結婚していた訳でもないし安定して付き合っていた彼氏もいなかったみたいで。
遊びのつもりでできちゃったってことでしょ？
私、命を粗末にする姉が許せなくてさ。
でもその子を悲しませるようなことは絶対にできないし授かった命を大切にしてあげたかった。
その子の養育費を稼ぐのに、父はずっと前に他界しているし母ももういい年で働かせる訳にはいかない。
だから家には稼げる人が私しかいなかった。
夢だった栄養士の道を諦めて在学中は大学が終われば遊ぶ暇もなくバイトへ走って卒業後は日中はその子を保育園に送り、家事をこなして半日だけの仕事、夜はコンビニで夜勤、土日も休む暇なく働いた。
でもやっと、やっとね、その必要がなくなったの。母が宝くじ当ててきて…(笑)
だから今はゆっくり休みつつ栄養士の勉強をまた再開してる。』
「……そうだったんだ。」
俺は彼女の知られざる過去に驚き、そして胸が苦しくなった。
俺は忙しいにしろこんなに辛い思いをしたことがなかったし、一度に色んなことがあったのにあの時…コンビニで出会った時、太陽のような笑顔で笑う彼女がとても大きく見えた。
でもその笑顔の裏では辛くて悲鳴をあげたい日々を過ごしていたんだね。
『あ、あの…祐基？
ごめん…今の話、流してくれていいか……
え、、
どうしたの…？祐基。』
耐えきれなくなって俺は彼女を強く抱きしめた。
「ごめん、ごめんね…。
気づいてあげられなかった。俺、Aのためになんにもしてあげられなかった。
もう我慢しなくていいから。これからは、
Aがしょう荷物、半分俺にちょうだい？」
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かいら(プロフ) - はーーーーーい 楽しみに待ってますっ (2018年5月9日 22時) (
レス) id: f9d0a6bd90 (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - かいらさん» そんなことおっしゃって頂けて本当に嬉しいです…！！！外出中でしたが思いっきりニヤけてしまいました(汗)頑張って更新致しますので気長に待っていて頂けると嬉しいです(*^^*) (2018年5月9日 22時) (レス) id: 20b91bff00 (このIDを非表示/違反報告)
かいら(プロフ) - リョウガーーーー大好き！すごい面白かったです！更新待ってます！ (2018年5月8日 16時) (レス) id: f9d0a6bd90 (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - ネオンガールさん» 大丈夫ですよ◎ (2017年11月16日 23時) (レス) id: 20b91bff00 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - いのりさん» それなです笑お疲れ様です〜(^^)/あの、いのりさん、ボード行ってもいいですか？ (2017年11月16日 21時) (レス) id: 83838dd1ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いのり | 作成日時：2017年11月12日 12時
