story_35 ページ36
┈┈┈┈『芸能人だったんだね。』
そう彼女から放たれた言葉は一瞬にして彼女と俺の間に厚い壁を作ってしまったようだった。
「う、ん。…そう。」
俺は小さい頃から芸能の世界で育ってきた。
昔から、小さいながらも特別な場所にいるとは感じていた。
周りからは一目置かれた存在、そんな感じだった。
この仕事のことを明かした以上、みんなプライベートな話題には首を突っ込まないし、いい意味で特別扱いをしてくれる。
"芸能人だから"と。
どんなにこの世界が厳しいかとも知らずにね。
だけど俺は知っている。
どんなに流行ったって稼いだって一度足を踏み外せばだいたい終わり。
今まで自分に向けられていた好奇な眼差しは一瞬にして遮断される。
そして"芸能人なのに"と冷酷な眼差しを向けられるのだ。
そう、人間は常に都合がいい。
『…女とふたりっきりなんて記者はさぞかし都合がいいでしょうね。』
「回りくどいね(笑)心配してくれてるの？」
『あなたのためじゃない。私の身のため。』
「かわいくないなぁ(笑)」
純粋で優しかった彼女のイメージとは正反対の言葉が次々に飛び出す。
それでも、
それでも君が気になるんだよ。
俺に隠している君がいるような気がして。
もっと知りたいって思う。
あの純粋で優しい君はニセモノ？
ホンモノの君を見せてよ。
今の俺はきっと
あの君の笑顔に隠された闇を知りたがってる。
「ここじゃあれだし、家来る？」
『何言ってるの？(笑)』
やっと振り向いた。
久しぶりに近くで見る顔に急に愛おしさが溢れる。
俺はもう無心で彼女の手を引き、彼女の分と俺の分の会計を済ませ、俺の自宅へと足を進めていた。
彼女が振りほどこうとしているのが嫌というほどわかったけど、
ごめん。
ここで止まる訳にはいかないんだ。
ここでこの手を離したらもう一生会ってくれないだろうから。
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かいら(プロフ) - はーーーーーい 楽しみに待ってますっ (2018年5月9日 22時) (
レス) id: f9d0a6bd90 (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - かいらさん» そんなことおっしゃって頂けて本当に嬉しいです…！！！外出中でしたが思いっきりニヤけてしまいました(汗)頑張って更新致しますので気長に待っていて頂けると嬉しいです(*^^*) (2018年5月9日 22時) (レス) id: 20b91bff00 (このIDを非表示/違反報告)
かいら(プロフ) - リョウガーーーー大好き！すごい面白かったです！更新待ってます！ (2018年5月8日 16時) (レス) id: f9d0a6bd90 (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - ネオンガールさん» 大丈夫ですよ◎ (2017年11月16日 23時) (レス) id: 20b91bff00 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - いのりさん» それなです笑お疲れ様です〜(^^)/あの、いのりさん、ボード行ってもいいですか？ (2017年11月16日 21時) (レス) id: 83838dd1ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いのり | 作成日時：2017年11月12日 12時
