ディア・シンデレラ (短編)

Umbrella which was forgotten１ ページ9

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聡「あーあ、降ってる。」


用事を済ませて改札を出るとそこから歩き出すことが出来ない状況にいた。

それもそのはず。


まわりを見回すと、バックの中から傘を取り出し歩き出す。


なんの迷いもなく流れるように鞄から携帯電話を取り出しボタンを押した。



聡「あ、もしもしAちゃん？雨降ってる。今駅にいるから、きて」



そう一言言うと一方的に電話を切る。。
そうすれば必ず来るってわかっているから。

そうじゃなくてもAちゃんの性格からすれば飛んできてくれることは容易に想像できた。


駅につくまで時間もまだありそうだから適当に店に入る。




聡「あ、このお菓子Aちゃん好きそう…♪」



聡「こっちの方が好きかな」



聡「最近おばさんになったしこっちの方が･･あ。」



気付けばAちゃんのことばかりが頭に焼き付いて離れない。




ふと鞄に目をやると携帯が光っていた。
あ、Aちゃんだ。



聡「はい、もしもし？」

A「聡？着いたよ、東口でいいよね？」

聡「はい、ありがとう。すぐ行きます」


こんな小さな会話でも俺にとっては幸せ。
顔が緩みそうになる。




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