ディア・シンデレラ (短編)

sweety boyfriend３ ページ23

＊
＊


勝利「遅い。」


部屋に戻ると、目を覚ましていて、腕を組んでご立腹の様子。


A「起きたの？」

勝利「Aがいなくなったから起きた。」

A「そう。」

勝利「なにそれ！冷たい！！」

A「ごめん(笑)、お粥作ってたの。はい、食べてくださいっ。」



勝利の前にお盆に載せたお粥を置く。
そして、私は毛布や、布団を外に干そうと片付け始めた。


というか、正確には片付け始めようとした。



A「…ん？」



勝利が私の服の裾を掴んでいるのを背後から感じた。



勝利「…やだ。食べさせて…。」

A「はい？！」



裾を優しく掴んでいたかと思えばすぐさまわたしの胸に入り込んでしまった。



A「しょうり〜〜、食べなきゃ治らないんだから…デートも行けないよ…？」

勝利「治ったらデートしてくれるの？…」

A「治ったらね、」



そう言うと、渋々私の胸から離れ、お粥を食べ始めた。


なんだかんだ素直じゃん。



なんて思ったのも束の間、

一口食べたら、スプーンを私に持たせ、じーっと私を見る。


A「もう…、」


お椀からお粥を救い、
温度を確認して、勝利の口に運ぶ。



勝利「んまいっ。」

A「それ食べて、薬飲もうね。」

勝利「あいっ、」



.



.




いつも俺様な勝利だけど、
たまには風邪引いて違う意味で振り回されてもいいかな、なんて思った日だった。




.



fin





.






勝利「A！！早くしろよ！！」

A「はいはいはい！ちょっと待って！！」

勝利「ったく、遅えんだから…」

A「なんでこんな早くから出掛けなきゃなんないのよ…」

勝利「は？風邪治ったらデート行くって言ったの誰だよ！」

A「勝利だわ！！デート行きたいならもうちょっと素直になれっつーの。」



.




.




＊
＊

Become obedient１→←sweety boyfriend２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す