青のきみ : ×in

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「怒ってたら ………なんなの？」

「え？」

「俺が仮に怒ってるとして、お前は俺に何かするわけでもないし俺はお前に理由を話すつもりもない。」




伊野尾せんぱいからのおまえ呼びはものすごく久々で、もう何が何だか分からなくて俺自身砕けそう。




「早く帰るよ、」




一緒に帰ろうと言う伊野尾せんぱいが分からない。




「原因は、俺ですか？」

「は？」

「俺なら、謝ります。……… 理由を話してくれれば。」

「………… おまえのことだって言ってねえじゃん。」




なんか、モヤモヤするんだ。

解決しないと気が済まない。




「せんぱい、」

「だから、……… っ、」




「… っ、話して、ください、」




必死に踵を上げて先輩の唇にキスをした。

今する状況じゃないってことぐらい子供じゃないから分かってる。

でも、



伊野尾せんぱいの中の今あるペースを乱したくて、

なかなか合わない目を合わせたくて、



………… 俺のことを見てほしくて。




場違いすぎる行為をしたことに驚きが隠せてないせんぱい。

俺からキスをしたことなんて、多分初めて。




その初めての時のムードが、最悪すぎる今日だなんて。




「…………山田はやっぱりおかしいヤツ。」

「ほぇ？」



「そんなに知りたい？」




知りたい、知ってこの険悪なムードをどうにか終わらせたい。

どうにか、伊野尾せんぱいの笑顔が見たい。




「はい、」

「……… ん、分かった。




そんなに知りたいなら、教えてあげる。｣

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