青のきみ : ×in

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ym.s


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確かに、今日俺は1回も話したことがない女子に告白されて返事を今度にした。

まさか、その状況を見られていたとは。




「理由、教えてくれないかな。」

持ち越した、理由。




……… 本当は、伊野尾せんぱいがいるからすぐに断りたかった。

『ごめんね、俺には大切な人がいるから。』と。



でもそれができなかった理由、




「その子、泣いてて …」

「…え？」



「俺の良心というかなんというか ……… 女子を泣かせちゃダメだっていう想いが俺の言葉を邪魔してしまって、この子が落ち着いたらちゃんとお断りしようと思って、持ち越しました。」




全て話すと、安心したのかするするとしゃがんだせんぱい。
よかった ……… と呟いて俺を抱きしめた。




「俺がいるのに、って思った。」

「断るに決まってるじゃないですか、」

「… やまだ、俺の事好きすぎだもんね。」

「そんなせんぱいも、俺の事好きなんでしょ？」




先輩の背中に腕を回してポロシャツをぐしゃ、と強く握った。

せんぱいの胸元に俺の顔があるから、せんぱいの心音が聞こえて心地よかった。




「好きだよ …………… こんなくだらないことで嫉妬するくらいには。」

「嬉しかったです、俺ばっか好きだと思ってたんで、」




ほんと、嬉しい。

好きなんて俺ばっかり言ってて、せんぱいは少しツンツンしてるから俺の事好きじゃないのかな、なんてずっと悩んでたけど、


そんな必要、ないみたい。




「やまだより俺の方が愛は強いと思うけど」

「………… ほんとどうしたんですかせんぱい。」

「そこは素直に『俺の方が好きですから！』とか言えよばーか。」

「そんなの、当たり前じゃないですかっ、」




言わなくても、せんぱい分かってるんでしょ？




「すき、せんぱい。」

「ん、…… もう暗いし、帰ろっか。」



「…………やだ、まだ離れたくない。」

「… じゃあ、俺んちくる？」




先輩の家は一人暮らしで、その誘いがどういう意味かなんて、考えなくても分かる。




「行きます、行きたいっ」

「ん、行こっか。」




先輩に手を引かれて不意に唇を塞がれた。

顔、真っ赤だよ、って笑うせんぱい。




今日、初めての笑顔が見れた。









やっぱり、、


せんぱいの笑顔が、世界で一番好き。









end





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