ださくてかわいい、いのお先生 (Ym × In) (ページ6)

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side R.Y

「……やまだくん、今日、居残りだから。」

世界一だるい、技術の授業のあと。
技術科のださい先生、通称もさおに俺はそう言われた。

もさいからっていうのと、この先生の名字が「お」で終わるから、もさお。結局ありきたりなあだ名だけど。
本名は、技術部の生徒ぐらいしか知らないと思う。

っていうか、この先生無駄に背が高くて、首が痛い。

「え、……なんでですか？」

「課題、終わってないから。」

はて、課題？

なんのことかと、もさおの後ろで笑いを噛み殺す知念に視線を送る。

「自由で、なんか作れってやつ。涼介、風邪で休んでたじゃん？」

知念の声に、もさおがこくこく頷く。
教師なんだから、自分でしゃべってほしい。

「ってことで、放課後、技術室に来て。」

「はーい……」

ぺこりとお辞儀してもさおが去っていくと、知念と裕翔くんが爆笑し始めた。

「も、もさ、ははっ、もさおと放課後ふたりとか、笑える……っ、」

「ほんとだよねっ、」

「いや、冗談じゃないよまじで。笑うな。」

俺が冷めた目で見ると、ごめんごめんと謝ってこちらを向いた。

「じゃあ、奢るのは延期で。残念だね、ゆーてぃ。…………くふっ。」

「そうだね。………くくっ。」

「だから笑うなってば！」

叫んだ声も笑い声にかき消され、それでなんだか俺も笑えてきちゃって。俺たちは長い間、そうして笑っていた。