ださくてかわいい、いのお先生 (Ym × In) (ページ37)

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side K.I

『……そう、山田くんとはもう関わらないことにしたんだね。』

「……うん、…でも、おれ、」

『良いと思うよ、俺は。山田くんってけっこう遊び人っぽいし……いのちゃんが傷つくなら、やめて正解だよ。』

「……そう、だよね、」

『じゃあ、そろそろ切るよ。』

「うん、ばいばい。」

光との通話を終了させてから、最初に出たのはため息だった。

あの日から、一週間経った。
ってことは、一週間経たないと光に話せないほど、おれは自分で起こしたあの出来事に落ち込んでたってことで。

「……情けない、な。」

そのおかげで、今が昼休みなのにも関わらずお弁当を食べる気にならない。

いつもなら山田くんが、……一緒に食べてくれてた、のに。

「せーんせ！」

「っわぁ、……知念くん、どうしたの？」

静かな技術室に、大袈裟に驚いちゃったおれの声が響く。
ふふ、って微笑んだ知念くんは、おれの隣の椅子に座った。

「一緒にご飯食べましょう？」

「っえ、おれなんかといいの？」

「ふふ、先生とご飯食べたい子なんてたくさんいますよ？こーんな可愛いんだもん。」

自分のお弁当箱をぱかっと開けて、いただきます、と箸で卵焼きをつまむ知念くん。

自分の口に運ぶと思いきや、おれの方にそれを差し出した。

「食べてください……はい、あーん。」

「ん、うん………っおいしい！」

「でしょ？」

「知念くんのお母さん、料理上手なんだ？」

ふわふわで、甘い。
愛情たっぷり、って感じの優しい味だった。

「涼介。」

「え？」

「作ったの、涼介です。」

かちゃん、と小さな音を立てて箸をおいて、知念くんはこちらをまっすぐに見た。