短編集 JUMP (ページ3)

今日:14 hit、昨日:23 hit、合計:1,878 hit

. ページ3

In side

状況に頭がついて行かなくて混乱する。
え、私今髙木先生に…抱きしめられてる？、

かぁっと耳まで熱くなるのが分かる。

「っと、ごめん。」
ぱっと腕を解かれ開放される。
まだ、ぼーっとしてる私の前で、髙木先生は落ちてる問題集を拾い私に渡す。

「はい！そろそろ暗くなるし、子供は帰る時間！」

背中を押されて気づけば廊下に押し出され、私は帰路に就いていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

あれから意識しちゃって、髙木先生と目を合わせることが出来ない。
先生の姿を見るだけで、あのハグを思い出してしまって恥ずかしくなる。
だけど目で追ってしまう。

数学の授業中。
黒板に図形を書く髙木先生の後ろ姿を眺める。
ほんっとスタイルいいなぁ…脚長…
それだけじゃなくてシルエットからしてもう美しいんだよね。
ジャケット・ネクタイ無しのスーツみたいな格好がとても様になっている。セミフォーマルっていうのかな。

振り返った先生と目が合ってしまい慌てて目を逸らす。い、今の不自然じゃなかったかな…。

「じゃあ伊野尾さん！この問題書いてもらおうか」

以外にも、というより案の定、当てられてしまった。
もう解いているので前に出て書く。

「うんうん、いいじゃん。
正解だし、解き方も効率的でいいね。さすが。」
と言ってぽん、と労わるように肩を叩かれる。
それだけでぶわっと顔に熱が集まるのが分かる。
急いでほぼ小走りで席へ戻るが、クラスメイトや友人は目ざとく、
「ちょっといのちゃん、赤くなってる〜」
「ほんとだ、可愛い〜！」
「ピュアすぎ！」
なんて野次を飛ばしてくるから近くの子を引っぱたく。

先生に聞こえる声で言わないでよ！！！
そうなんだよ、実はクラスの友達にも知られちゃってるんだよね。ほんとデリカシーの無い奴ら…。

先生は特に気にしてなさそうに微笑んでる。