短編集 JUMP (ページ1)

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子どもじゃないもん tk×in ページ1

※先生×高校生パロディ
・髙木くんは30代前半の数学教師
・伊野尾くんは17歳の女子高生
※髙木くんに数学教師のイメージ無いかもしれませんがすみません

in side

HRが終わった放課後、私は、ある場所に今日も来ていた。
廊下の隅っこにある数学準備室。
入る前に前髪を手櫛で整えて、控えめにノックして入ると、ひとりで机に座って何か作業をしていた髙木先生が、こっちを見て小さく笑った。

「また来たの、伊野尾さん」

髙木雄也先生は、私の学年の数学を担当している先生で、私の好きな人でもある。
初めて見た時に一目惚れして以来、ずっと思いを寄せていて、授業以外でも接点を持つために、こうやって何かと理由をつけて会いに来ている。
生徒からはチャラそうとか遊んでそうとかいじられるけど、イケメンでスタイルがいいのに気さくで話し掛けやすくて人気の高い先生だ。だけど、どこか裏のありそうなオトナな雰囲気も感じることがあって。
好きになっちゃいけなさそうな雰囲気含めて、かっこいいと思ってしまう。

授業の後は生徒に囲まれてること多いし、私は結構危機感抱いてる。

「髙ちゃんに会いに来ちゃった♡」
「はいはい(笑)ホントは？」
軽くあしらわれてしまい、少し恥ずかしくなる。
「あの、分からないとこがあって」
「そっか。見せてみ？」
「ここなんですけど」
「おいで」

問題を見ながらノールックで傍の椅子を叩く先生。
「おいで」なんて言われたことに内心キュンとしながらお言葉に甘える。

「あ〜〜、ここね、はいはい。」
なんて言いながらすぐに理解した様子の先生。
そんな素の姿をこんなにそばで見られることにニマニマしてしまう。

スーツからふわっと香る先生の大人っぽい香りや、軽くまくられてる袖から見えるスラッと長い腕や手の血管から“オトナの男性”を感じてしまう。
せっかく教えてもらってるのにそんなとこばっかり気になっちゃって。

「こーら、伊野尾さん。聞いてる？」
「へへ、すいません、聞いてなかったでーす(笑顔)」
「も〜〜！せっかく先生が教えてるんだから
もっと真面目に聞きなさい」
「ふふふ、ありがた〜〜く聞かせていただきます」
「舐めてんだろ(笑)」
ペシッと頭をはたかれる。