コットンキャンディー踏み付けた ページ17
Kei.I side
やっぱり俺の見込んだ通りだ
なかなか使えそうな男が手に入って物凄く満足だ
それに久しぶりに1人になれた
手元にあるグラスに入った
スパークリングワインは隣国からの
差し入れだと召使いが言っていたな
そういえば俺はあの日以来
薮に会っていない気がする
あいつには悪い事をした
あのときはわざと触れてしまった体でいたけれど
どうしようもないくらい大ちゃんが
欲しかったんだ
あの時の俺は、ね
まさか子供だった俺がそんなに計算してまで
大ちゃんを欲しがるとは思わないだろう
欲しいものがなんでも手に入ってしまう能力
と頭脳を手に入れてしまったのだから仕方がない
親族はあの日全員消えた
みんなが面白いほどにもがき苦しみながら
意識を手放したのを今でもはっきり覚えている
それからこの国は俺の独壇場だ
表向きは民のことを1番に考える慈悲深い王
それであるが故に国民からの人気は絶大だ
街を歩けば若者から握手を求められ
女には変に高い声で騒がれる
老人に会えば感謝され
子供の前を通りかかれば人だかりができる
そう、どこへ行ったって愛されすぎてしまうんだ
慧「本当、みんな俺の思い通り‥‥」
トントン
ノックの音が聞こえた
慧「‥‥どうぞ」
1人でいられるのもここまでか
入ってきたのは知念だった
侑「‥‥‥陛下」
慧「どうしたんだ、その靴」
知念は片方だけガラスの靴を
履いて俺の前に現れた
侑「割れました。ただそれだけの事です」
それより、
食い気味で言ってくる様子から
どうやら知念には何か
気に食わないことがあるようだ
侑「あの男は誰ですか」
慧「もしかして、涼介くんのこと？」
聞き返すとさらにむすっとした顔で続けた
侑「‥‥僕のこと放ってまた男作ったんですか」
だんだん知念の綺麗な目に涙が溜まってくる
なんて美しい光景なのだろう
慧「男だなんて人聞きの悪い‥‥うわっ」
突然抱きつかれた
そう、知念はこういう男なのだ
侑「僕だけ愛してって言ったのに‥‥」
涙が俺の肩に落ちたのを感じた瞬間
トントン
またノックが鳴った
.
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misaki - 凄い…続きが気になる。こういうお話大好きなんです。神作ありがとうございます (2019年5月13日 8時) (
レス) id: f52dfbbd1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：貴咲 | 作成日時：2019年5月12日 18時
