パヒューム纏って一回転 ページ14
Ryosuke.Y side
？「へえ、君か」
涼「‥‥なんのことですか」
普通に考えて怪しすぎる
...
...
...
大ちゃんと少し会話をしながら
人だらけのダンスホールの端っこの方を歩いていた
ふとブドウ風味の炭酸飲料が入ったグラスを
ウェイターの持つ盆から取り
その中身が揺れているのも気にせず
ガラスの靴を履いて踊っていたあの男の子が
いた場所をぼーっと眺めていたとき
目の前にいる背の高い男の人に引き止められた
前をスタスタと歩く大ちゃんは
それに気づくはずもなく
完全にこの男の人のテリトリーに
入ってしまったような気がする
なのに俺を引き留めた張本人ときたら
仮面越しにでもわかるくらい"にこにこ"していた
＿＿＿＿＿＿＿“にやにや”の方が適切だろうか
涼「あの、俺行かなくちゃならないんですけど」
別に大した用事はないんだけど
この面倒な状況を切り抜ける
方法がこれしか見つからない
？「いいんだよ。大ちゃんなんてほっとけ」
涼「知り合い‥‥ですか」
？「ふははっ、知り合いもなにも」
男の人は大ちゃんが歩いていった
方向に顔を向けて妖艶な笑みを浮かべた
そのとき仮面を顔に固定させるための紐の
結び目だけが光った気がしたのだけれど
？「実の弟のこと忘れる兄貴なんて」
最低じゃねえか
そう言っている彼はやっぱり笑っていた
涼「大ちゃんが‥‥弟、？」
？「ああ、今はあれだけど」
顔が似てるわけでもない
身長が同じくらいというわけでもない
でもこの男の人の言うことは本当っぽい
なにを根拠としているわけでもないんだけれど
この男の笑顔を見る限りそう見えた
？「まあ、立ち話もなんだし‥‥」
そうエスコートされ俺は
彼が指さした椅子に腰かけた
？「あ、自己紹介してなかったな」
涼「えっと‥‥山田涼介です」
？「うん、知ってる」
涼「‥‥‥そちらは？」
じっと見つめてくる彼の視線に耐えられず
普段はしないような言葉遣いで問いかけた
それもきっとこの仮面舞踏会の所為だ
ということにしておく
宏「‥‥‥隣国の皇太子、薮宏太だ」
よろしく
と言って差し伸べられた
手を握ろうとは思えなかった
その前の言葉が衝撃的すぎたんだ。きっと
.
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misaki - 凄い…続きが気になる。こういうお話大好きなんです。神作ありがとうございます (2019年5月13日 8時) (
レス) id: f52dfbbd1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：貴咲 | 作成日時：2019年5月12日 18時
